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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第53章 予想外



9時を回った頃、杏寿郎達は裏山へと移動をした。

裏山と軽く言うが、それなりに広い山一座である。
そこの中腹に開けた場所があり、そこで手合わせを行うのだ。


目的地に近づいてくると、何やら賑やかな声が聞こえてきた。


「あれは…」

杏「…よもや!皆来ていたのか!!」


目的地に見えるのは柱達だった。
流石に皆は着物や、袴姿ではあるが一眼でわかる。



向こうもこちらの存在に気づき、一斉に視線を浴びる。
蜜璃が大きく手を振ってくれていた。

「わぁ!」

泰葉は嬉しくなって駆け出した。

「皆さんお久しぶりです!」

柱達に会うのは最後の柱合会議以来。
皆元気そうだ。


し「泰葉さん、元気だった?」

蜜「全く会えなくなっちゃったから、寂しかったわ!!」

「元気よ。みんなも元気そうでよかった!」
泰葉はしのぶと蜜璃に抱きしめられる。





実「よぉ、煉獄。お前が負けたら泰葉を掻っ攫いに来たぜェ。」
無「これは僕にも運が向くかもしれないってことですよね。」

杏「む!君たち!それが狙いか⁉︎」

はははと笑っているが目は笑っていない。


そんなことを言い合っていると柱達は杏寿郎の後ろに視線を移し、皆一斉に目を丸くした。
…面白いほどに一斉に。

無「煉獄さんが…もう1人…」
宇「まじかよ、それは知らなんだ!」
実「信じられねェ!」
義「誠か…」

もちろん、しのぶや蜜璃も驚いていた。


行「あぁ。懐かしや、その姿。熱き心を持った槇寿郎殿の姿をまた拝めるとは…。」

じゃり…と数珠を鳴らす行冥。
そして、この姿に涙を流した人物がもう1人。


伊黒小芭内。



小芭内は幼き頃、当時炎柱であった槇寿郎に救われている。
その姿をまた見ることができた。
それはそれは、あの頃抱いた大きく頼もしい背中への憧れを思い出させてくれた。


小「これは…現実か…?」

そんな小芭内の背中をさするのは蜜璃。

蜜「伊黒さん、良かったわね。私もずっとこの姿を拝見したかった。私の大切な人を助けてくれた、師範の父の姿を。」


槇寿郎は照れ臭そうに咳を一つ、コホンと鳴らした。





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