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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第53章 予想外



列車も無事に東京駅につき、行きよりも大量の荷物を抱えて列車を降りた。

千「また乗れますように。」

そう列車に向かってお祈りする千寿郎は可愛くて仕方ない。
泰葉はなんとしてでも、千寿郎をまた列車に乗せてあげようと思った。




ーーーーーーーーーー

「はぁー…着いたぁ。」


乗合馬車に乗ったりして移動したとしても、やはり疲れるものだ。
しかし、驚くべきは煉獄家は誰一人疲れていないようだった。

千「この野菜たちは倉庫に入れてきてしまいましょう。」

槇「ならば芋を少しどかさなければならいだろう。ついていこう。」


千寿郎と槇寿郎が早々に働き出している。

「わ、私も…」

と、動き出そうとした時、杏寿郎がそれを止めた。

杏「無理に俺達に合わせることはない。
この家の者の体力は人より長けているのを自覚している。
長時間移動したんだ。疲れているのが当たり前だ。」

「で、でも…。」

煉獄家に嫁ぐ身となれば、甘えたことを言っているわけには…と、罪悪感に苛まれる。


槇「休むことも仕事のうちだぞ。
まさか、自分もすぐに動こうと思ったんじゃないだろうな?」

「皆さん片付けを始めているのに…」

槇「それは動けるものがすれば良い。嫁だから動かなくてはならないなど、考えは持たなくて結構だ。
むしろ女性は男よりも体力はどうしても劣る。それなのに女性ばかりを働かせるのはおかしいだろう。」


千「そうですよ。少し休んだら、またできることから始めましょう?」


千寿郎にまで諭されるとは…。

泰葉は暖かい心遣いに胸を打たれる。

「ありがとうございます。」





その後1時間ほどは皆思い思いに休み、杏寿郎と槇寿郎は明日の手合わせに向けて鍛錬しに行った。



千寿郎と泰葉はぼちぼち夕飯の支度にかかる。

千「本当に明日手合わせをするんでしょうか。」

「槇寿郎様の目は本気だったし、冗談で言わないでしょうね。」

千「もう泰葉さんは兄上のお嫁さんになってくれるとばかり思っていました。」

しゅんとなりながらそう呟く千寿郎。
正直、泰葉もそう思っていた。
槇寿郎も認めてくれているのだと。


「私も…正直。でも、そうだなって。
自惚れすぎてしまったのかもしれないわ。」


そう眉を下げて笑った。



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