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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第52章 恋敵



翌朝。
目を覚まして驚いたのは、意外にも杏寿郎だった。


杏(よもや!本当に俺はこのまま眠ったのか⁉︎)

「…んー…」

寝返りを打とうとする泰葉。
動くと杏寿郎の顔に柔らかな山が押しつけられる。


杏(い、いかん!このままでは流石に!!
ここは泰葉さんの実家!
浩介殿の件もある、手を出すわけにはいかないんだ!!)


杏寿郎は額に筋を立て、全集中で己を落ち着かせる。



そっと自身の身を引き、泰葉から離れようとした…

杏「んぐ!」

杏寿郎の努力虚しく、頭を抱え込まれ髪を撫でられる。

「んふふ…」

幸せそうに微笑む泰葉をみて

杏(…これは猫か犬かを抱いてる気でいるな…)


ご名答。
実際泰葉はモフモフの大型犬と戯れる夢を見ていたのだ。








杏「…ふう。」


あれから理性を守り抜く為、四苦八苦してようやく泰葉から抜け出した。
自分から頼んだ事だが、泰葉の実家で…ということに強く後悔した。


この理性を守り、手を出さなかった事に己を賞賛したい。


とりあえず、泰葉の寝巻きをそっと戻し、目のやり場に困らないようにした。
起きた泰葉も、きっと自分の姿に驚いてしまうから。





ーーーーーーーーーーー


「んー!」

泰葉は目覚めて伸びをする。


「あれ?杏寿郎さん…もう起きたのかな?」


隣にいるはずの杏寿郎は部屋にいなかった。
それに、少し乱れてはいるが寝巻きも着ていた。


(昨夜、確か脱がされて…?寝ている間に自分の布団に戻ったのかしら?)


そんな事を考えていたら、スッと襖が開いた。

「おはよう、杏寿郎さん。よく眠れた?」

杏寿郎だと分かった泰葉は乱れた寝巻きを直しながら振り返る。

杏「ん゛…!!あ、あぁ!よく眠れすぎて、いつもより遅くなってしまった!!」

「ふふ、それならよかった!」

杏「あぁ!ありがとう…!!」

安心したように笑う泰葉に、理性を失いそうだった自分を知られるわけにはいかない。



杏「さ!着替えよう!そろそろ皆起きてくるだろう!」


杏寿郎は気持ちを誤魔化すために溌剌と身支度を促す。
泰葉は杏寿郎の機嫌がだいぶ良くなったのだと、嬉しく思った。




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