第51章 誓い
両者とも一度退き、距離をとった。
「ねぇ、お父さんって居合だけなの?」
泰葉は花枝に聞く。
どうもそれだけでは無い気がして。
花「お父さんはね、一応剣技もそこそこなのよ。
今宮家は代々西ノ宮の護衛…みたいな家系だったからね。
あ、立場が下とかじゃ無いのよ。
共に仲の良い一族だったから、生まれながらの力を持つ西ノ宮家を守ってきたの。」
花「…でも、3ヶ月だけ呼吸の習得をしようとしたみたい。
えっと、雷…の呼吸?だったかな?」
「えぇ⁉︎」
智幸にそんな経歴があるなんて思わなかった。
3ヶ月では、流石に習得できていないだろうが、それならばあの剣技も頷ける。
一般人で杏寿郎に食いついていける者など見たことがない。
確かに無惨と戦っている時の善逸の動きは、居合の動きによく似ている部分があった。
なので、居合の経験者である智幸が雷の呼吸を習得していても納得だ。
智「いくぞ!」
杏「はい!」
大きな掛け声をかけ、智幸は抜刀する形を取る。
言われてみればそれは霹靂一閃と同じ型だった。
グッと足に力を込めて踏み込み一気に斬りかかる。
杏寿郎はそれを瞬時に不知火の型で迎え打つ。
ガンッ!!!!
大きな音が響き、動きの止まる両者。
すると、2人の木刀は真ん中からぽっきりと折れていた。
槇「…引き分け。」
まさかの3本目に突入。