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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第50章 列車の旅



緊張を解くように、しばらくの間他愛のないことを話す。

しかし、緊張が解けない人物が1人。


杏寿郎だ。



彼は珍しく、とても緊張している。
何度もお茶を口に含み、拳は膝で握りしめていた。
そうでもしないと口の中がカラカラになってしまうのだろう。

逆に智幸は、その話題になかなか踏み込まずにいた。
この言葉を聞いたら、本当に娘が離れていく気がして。
わざと…というわけでは無いが、自然と話を逸らしてしまっていた。


泰葉は杏寿郎が心配だった。
彼のこれほどまでに緊張した姿など見たことがなかったから。
痺れを切らした花枝は、
そろそろ…と、智幸の膝をトントンと叩いた。

花「あなた…」
智「…そうだね。」

観念したようにふぅ、息を吐く。


智「さて、本題に入ろうか。
杏寿郎くん、話を聞かせてもらえるかな。」

ここにいる全ての人が『この時が来た!!』と思っていた。

杏寿郎が改めて姿勢を正すと、皆も正した。


杏「はい!まずはこのような時間を設けていただき、感謝いたします。
…単刀直入に申し上げます。
私、煉獄杏寿郎は西ノ宮泰葉さんを、心から愛しております。
ずっとそばにいて、幸せにしたい。
その想いは出会った時から何ら変わりません。
娘さんを…私の妻として迎えることを、お許し願いたい!!」


杏寿郎はそのまま丁寧に頭を下げた。

槇寿郎と千寿郎も頭を下げる。


智「…頭を上げてください。
気持ちは分かっています。しかし、親としても『はいどうぞ』とはなれなくてね。
約束通り、手合わせをしてもらうよ。
今日は疲れただろうから、明日の10時でどうかな?」

杏「はい、承知しました!」



…ということで、手合わせは明日に行われることとなった。






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