第50章 列車の旅
槇「楽しいことも沢山あったぞ。
そうだな、あれは…さく「あっ!!!」
槇寿郎が瑠火との話を続けていた時、突然泰葉がそれを止めた。
「槇寿郎様!きっとそれは私がお見せしたいところですね⁉︎
しーっ!まだダメです。せめてお二人には驚いて欲しいので!」
人差し指を口に当て必死にそれ以上は話すなと制止する泰葉。
その姿は大人っぽいなどからかけ離れた、子供のような姿だった。
『ふっ、ふふっ、あはははっ』
途端に笑い出す3人。
杏「そんなに必死になるものなのだな。
こんな泰葉さんの姿は初めて見た!」
千「はい。何を見せていただけるのか、楽しみですねっ。」
槇寿郎はまだ肩を震わせていたが、泰葉が皆に見せたいという気持ちも分かるため、それ以上は何も言わなかった。
「…そんなに笑わなくても。
でも!とても素晴らしい場所ですよ!」
泰葉は微笑んで早くつかないかなと胸を躍らせた。
その後ははしゃぎすぎたのか、皆こくりこくりと舟を漕ぐ。
千寿郎は槇寿郎の肩に。
泰葉と杏寿郎は互いにもたれ合いながら。