第49章 体温 ❇︎
泰葉の呼吸も落ち着いたところで、「動くぞ」と声をかける。
コクンと頷いたのを確認して、ゆっくりと抜いては挿してを繰り返していく。
「く、はぁ…っ」
「きょ、杏寿郎…さっ…」
珍しく苦しそうな声が杏寿郎の口から漏れる。
挿れた時にも感じたが、やけにナカがうねっている。
それは杏寿郎の昂りの形を覚えこもうとするかのように、纏わりついて離さない。
「…っ、そんなにしないでくれ。不甲斐なく搾り取られてしまいそうだ…。」
「でも、ど…したら…」
言うて杏寿郎も経験もあるわけではない。
女性の膣圧もどうしたら緩めることができるかなど知る由もなかった。
「とりあえず…息をしてくれ…。
さっきみたいに、少し余裕ができるかもしれん。」
泰葉はまたすー、はー、と息をする。
先程よりは締めが緩まったが、やはりキツイ。
(これは仕方ないのだろうな…。
気をやって力が抜ける他あるまい。)
「泰葉、痛むようなら言ってくれ。」
「え、あっ、ひぅ!!」
杏寿郎はゆっくりまた動き出し、少しずつ律動を速めていく。
ゆさゆさと揺さぶられるたびに「あっあっ」と喘ぐ泰葉。
杏寿郎は早く泰葉が達するようにと良いところを探り突き上げていく。
(く…どこを突いても締め付けてくる…。
良いところが分かりにくいな…)
杏寿郎が少し逃げ気味になっている泰葉の腰元を掴み、ぐっと引き寄せ、自分の太ももに泰葉の尻が乗るようにした。
「ひゃぁあ⁉︎」
泰葉の目が見開かれ、弓形に身体がしなる。
ぎゅぅっと一際ナカが締まり
ビクビクと体が痙攣したようになっているところを見ると…
「達した…な。」
「はぁ、はぁっ」
泰葉の口はだらしなく開き、ひたすら酸素を求めている。
「これは随分派手にやってしまったようだ。」