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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第6章 再会


大きな音をたて、叩かれたせいで頬が赤くなっているのは

槇寿郎。


泰葉は槇寿郎の頬を思い切り叩いたのだ。
その目に憤りと涙を溜めて。


「もう、息子たちを愚息と呼ぶのを…やめて下さい。」


泰葉には、分かっていた。
槇寿郎は愚息と思っていない。
愚かだと思っているのは、
自分自身だと。


槇「…お前に、何がわかる。」

そして、これも本心ではない。
槇寿郎には、泰葉が頬を叩くのを止めることなど、容易い事なはずだ。
しかし、止めるどころか、自分から叩かれる準備をしていたのだ。
一番平手を喰らい
一番痛みを感じるように。


「まだ何も分かりません。
知っていいのかも分かりません。

しかし、本当は愚息と思っていないのは分かります。
愚息と思っている者の、料理の味の違いに気づけるはずがありません。」


槇寿郎は固まった。

「貴方は、最愛の妻を亡くされたと…

貴方と、その最愛の方との血を引いた息子たちに
愚息とよく言えましたね?

お忘れになっていませんか?
子は一人では成せません。
心を痛めるまで、愛することができた方との子です。

嘘でも!嘘でも、愚息だなんて…
言ってはいけない…。」

泰葉の目からポロポロと、大粒の涙が溢れた。






槇「…確かに、アイツらは俺ではなく、妻である瑠火によく似た優秀な息子たちだ。」


槇寿郎は静かに口を開いた。


「もし、私に話してもいいと思っていただけるのであれば、お話いただけますか?
話したくなければ、私も退室いたします。」



泰葉がそう言うと、はぁ、と息をついて話し始めた。






槇寿郎は、鬼殺隊 炎柱を務めており、
妻 瑠火と、息子2人に恵まれ幸せだった。
明日の命が分からぬ身。
先に死ぬ覚悟は出来ていた。

当時の槇寿郎は炎柱として、誇りを持っていた。
柱としての実力も十分で、人望も厚かった。


ある日、煉獄家に代々引き継がれる書に目を通していると、
その内容にひどく絶望した。



そこからが、槇寿郎の人生が



大きく


狂ってしまった。







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