• テキストサイズ

太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第46章 希望の光



炭治郎は暗闇の中にいた。
目を開けなくても光がないのがわかる。

「お兄ちゃん、帰ろう… 家に帰ろう…」

禰󠄀豆子が泣いている。


帰りたい。
俺も家に帰りたいよ。禰󠄀豆子…。
本当にもう疲れたんだ。

お願いします神様。
家に帰してください。
俺は妹と家に帰りたいだけなんです。
どうか…


炭治郎が暗闇の中、天だと思う方に手を伸ばす。
しかし、その腕に絡み付いた無惨の細胞が話しかけてきた。


『帰ってどうなる。
家族は皆死んだ。
死骸が埋まっているだけの家に帰ってどうなる。』


思い出が残ってる。
あの幸せな日々は俺と禰󠄀豆子がいる限り消えない。
だから帰る。


『無意味なことをするのはよせ。
禰󠄀豆子は死んだ。お前が殺した。』


嘘だ。禰󠄀豆子は生きてる。
お前は嘘つきだ。


その時、炭治郎の背中を押す7つの手。
大きな手から小さな手。
温かさを感じる。
家族の手。


『余計なことをするな。亡者共。
仲間達の血の匂いがするだろう…。
お前がやったのだ。
恨まれているぞ。
誰もお前が戻ることを望んでいない。』


謝りたい、みんなを傷つけてしまったこと。
戻って謝りたい。


『謝っても許されない。』


それはお前が決めることじゃない。
みんなが俺を心配してくれてる。
匂いでわかる。


『黙れ。お前は私の意志を継ぐ者。
前を向くな。
人を信じるな。
希望を見出すな。
鬼でなくなれば数年のうちに死ぬのだぞ。
痣の代償を払わねばならぬ。
自分のことだけを考えろ。
目の前にある無限の命を掴み取れ。』


嫌だ。俺は人間として死ぬんだ。
無限の命なんか少しも欲しくない。
いらない。
みんなの所に帰りたい。



/ 1005ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp