第2章 無限列車
善「なぁ、炭治郎。その煉獄さんっていう人、柱なんだろう?その人の事、分かるのか?」
炭「あぁ、見た目も派手な人だったし、匂いも覚えているから。」
伊之助はガハハと車内を興奮気味に行ったり来たりしている。
善「それよりさぁ、さっきの車両にいたお姉さん、すっげぇ可愛かったよなぁ!お婆さんの荷物上げてた!話しかければ良かったなぁ〜!」
炭「そうだな。とっても優しい匂いがしたな。」
3人は鬼殺隊の炎柱である、煉獄の元へと向かっていた。
炭治郎が次の車両につながる扉を開けようとすると、扉が震えた。
「うまい!!!!」
3人「⁉︎⁉︎⁉︎」
扉を開けると
「うまい!うまい!!!」
と、さらに大きな声が聞こえてくる。
3人は恐る恐るその声の主に近づいていく。
そこにいたのは、派手な出立ちの青年
彼こそが、炎柱 煉獄杏寿郎だった。
善「この人が…炎柱?」
炭「うん…」
杏「うまい!」
善「ただの食いしん坊じゃなくて?」
炭「うん…」
杏「うまい!」
炭治郎は「れ、煉獄さん…」と声をかけるが、「うまい!!」にかき消され、彼の食事が終わるまで会話はできなかった。
…つまりは11個の牛鍋弁当が無くなるまで…ということである。
落ち着いた頃。
炭治郎は杏寿郎とヒノカミ神楽について話したりしていた。
「む!そういうことか!しかし、知らん!」
と、それについては残念ながら収穫はなし…
伊之助は窓から身を乗り出し、列車と走りで競走しようとしている。
それを善逸は必死で止める。
杏「危ないぞ!いつ鬼が出るか分からないんだ!」
善「鬼出るの⁉︎」
杏「でる!!!」
そうこうしていると、車掌が切符を切りに来た。
車掌「切符を…拝見…します…」
カチン…
…全員、眠りに落ちていった。
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その頃、泰葉は育った家にいる。
母「泰葉、今日から貴女はうちの娘よ。」
父「これからは3人で幸せになっていこうな。」
育ての両親が微笑んでいる。
泰葉は12歳の時に、今の両親に引き取られた。
その前の記憶は何も覚えていない。
どこにいたのか、どんな暮らしをしていたのか。
産んだ両親の顔さえも…。