第46章 希望の光
「炭治郎くん!!血…私の血なら…」
泰葉は禁じ手の死者蘇生に手を出そうとする。
杏「泰葉!それは禁じられているだろう!!」
「でも!私には猶予がある!炭治郎くんは死んではいけないの!!」
取り乱す泰葉。
炭治郎の刀でシュッと腕を掠め、血が滲んだ。
杏寿郎は慌てて泰葉を止める。
その時、炭治郎の手がピクリと動いた。
「!!!!」
泰葉が炭治郎を見ると、カッと目を見開かれる。
その目は…
「瞳孔が…縦…」
すると、炭治郎の手が泰葉に向かってヒュッと振り下ろされる。
咄嗟に目を閉じて身構えると、その爪は届かなかった。
ガチィッ
泰葉の目の前で炭治郎の手をギチギチと抑えていたのは、杏寿郎の手と日輪刀の鞘。
杏「どういう事だ!竈門少年!!」
炭治郎は自我を失っているのか、杏寿郎の声も届いていない。
義「…!動けるものは武器を持って集まれ!!!!」
義勇が叫び、辺りはただならぬ空気に包まれた。
その時、カッと陽の光が炭治郎を照らした。
ジュゥゥと炭治郎の肌を灼く。
「ギャァァァアア!!!」
けたたましい叫びをあげ、もがき始めた炭治郎。
しかし、それも束の間。
少し灼けたところでピタリと止まる。
太陽を克服したのだ。
そして、すぐに鋭い爪を杏寿郎や義勇に向ける。
義「炭治郎!!目を覚ませ!」
杏「皆、集まれ!!!竈門少年が鬼にされた!!!」
疲労困憊で気を失う寸前の柱達は、杏寿郎の声でバッと起き上がる。
実「はぁ⁉︎テメェ何してんだ!!」
無「炭治郎…、どうしたんだよ!」
炭治郎は手当たり次第に爪を立て攻撃をしてくる。
鬼を早く滅さなくてはならないが、炭治郎ということもあり躊躇された。
伊「炭治郎!お前何してんだよ!!
半々羽織どギョロギョロ目ん玉だぞ!!仲間だぞ!!」
善「炭治郎ー!!」
伊之助と善逸に呼ばれて睨む炭治郎は、もう優しい炭治郎ではなかった。
グルグルと獣のように喉を唸らせ、威嚇する姿は鬼。