第46章 希望の光
「そっか…良かった。」
安心した泰葉だが、あることを思い出す。
泰葉の力は戦いが終われば消える。
杏寿郎との口付けで傷は治せた。
まだその力はある。
しかし、これはいつまでなのだろう。
次の瞬間には消えるのか…?
ならば、出来るだけ早く救える人を救わなくちゃ…!!
泰葉はフラフラしながら立ち上がり、誰か必要な人はいないかと探す。
杏「皆生きている人たちは大丈夫だと思うが…」
「うん…。あ!炭治郎くんっ!!」
炭治郎は膝をつき、ガクンと頭を下げている。
目を覚まさない。
生きているよね?
飴は舐められただろうか。
炭治郎の元へと歩く泰葉。
「炭…治郎…くん?」
すると、隠が涙を流しながら振り返った。
『それが…息もなくて…心臓も…』
「えっ…?」
嘘、嘘でしょ?
泰葉は慌てて炭治郎に駆け寄った。
「炭治郎くん!炭治郎くん!だめよ!死なないで!!」
泰葉が身体を揺すっても、力なくされるがままに動くだけだった。
杏「竈門…少年?」
後から追ってきた杏寿郎も炭治郎の現状に驚く。
ドサッ
義勇は炭治郎が心配で来たのだろう。
泰葉の取り乱す様子に悟り、落胆し膝をついた。
義「炭治郎…。また…守れなかった…」
義勇の目から涙が流れた。