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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第45章 喰らえ



泰葉は素早い動きで無惨を翻弄した。

痛む体の限界を迎えるまで、せめて炭治郎が…誰かが動けるようになるまで…!!!


目の回るような動きをする泰葉を捕まえようと無惨は管を右往左往に打ち付ける。
泰葉の血にも効果があると分かれば、出来るだけ無駄に血は流したくない。
出来るだけ無傷に捕まえ、余すことなく血を啜りたい。



泰葉の中では、無惨を嘲笑っていた。
長年の噂話は正しく伝わらないことが多い。
無惨は血肉に不老不死の効果があると言っていた。
しかし、実際は不老不死ではない。
それに、血には治癒、肉には壊死なのだから。

珠世にさえ、正しく伝わってはいなかった。


所詮、噂話はそんなもの。
しかし、そんなもののせいで一族は命を狙われた。



喰らいたければ喰らえばいい。
その時、お前に待ち受けているのは






なのだから。






ーーーーーーーーー



しばらく逃げ回っていたが、泰葉にも限界が訪れる。
足がトトッと、もつれてしまった。


その隙をついて無惨が泰葉の一つに束ねた髪を引っ掴む。


「っ!!!!」


『追いかけっこはお終いだ。どうだ?お前はどこから引き裂かれたい。』


言ったところでどのみち死ぬ。



「私の全身、髪の毛一本まで力が通っている。
それ欲しさに我が一族を滅ぼしたのだろう?
そんなに喰いたければ、喰らうがいい!!
髪の毛一本余すことなく!!」


「…壱ノ型 不知火!!!!」


泰葉がぐんっと顔を下に向けると、ザンッと一つに束ねられた髪が断ち切られた。
そして、その剣先は無惨の顔を横一直線に斬りつけた。



『ふ、はははっ!逃げたつもりか!しかし、お前の長く伸びた髪はもう私の手の中だ。これを喰らえば、更に力が湧いてくる!!』



そう言って、無惨はわしゃわしゃと泰葉の髪の毛を喰らった。



し「美味しかったですか?さて、その力は貴方にはどう働くのでしょうね。」




『…何?』

「私の髪の毛一本にも力が通っている。しかし、その力は壊死させるもの。よく味わったようでよかった。」


ニヤリと笑う泰葉。


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