第44章 命あってこそ
その隙にカナヲ、善逸はまた姿を消す。
泰葉も一緒に姿を消した。
——花の呼吸 肆ノ型 紅花衣——
——雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃——
2人の攻撃の間を縫い、泰葉は後頭部に手刀と、背中に回し蹴りを入れる。
それに苛立つ無惨
『つまらぬ小細工ばかりするな!!蠅共が!!!』
——蛇の呼吸 参ノ型 塒締め——
——蟲の呼吸 蜂牙の舞 真靡き——
小芭内と、しのぶも続けに技を仕掛ける。
行「伊黒の赫刀と、人数が増えた事はありがたい!
我々も行くぞ!!」
行冥は自分の武器の鉄球と斧をガチンッと叩き合わせた。
その衝撃でジジッと音と火花を立てて段々と赫く変わっていく。
実「冨岡!!受けろォ!!!」
義「!!!!!」
ガチィッ
実弥の刀を義勇も刀で受ける。
その衝撃でこちらも徐々に赫刀に変化した。
杏「む!握力なら任せろ!!」
杏寿郎はググッと手に力を入れる。
ミシミシと音を立てるが、まだ変わらない。
(ほう!もっとか…!!)
眉間に筋を立て更に力を入れる。
すると、元々赫い杏寿郎の刀は更に色濃く変わっていた。
杏「覚悟しろ!!無惨…!!!」
——炎の呼吸 伍ノ型 炎虎——
杏寿郎の放つ炎の虎が無惨に向かって噛み付いていく。
赫く染まった刀での攻撃は、無惨の再生を遅らせた。
伊之助、カナヲ、善逸、実弥は姿を消して立ち向かい
泰葉の蹴りが激しく無惨の背中を乱打する。
杏寿郎の虎が噛みつき
小芭内の蛇が塒を巻く。
義勇の激しい水流に揉まれ
無一郎の濃い霞の中
行冥の岩をも砕く鉄球が飛ぶ。
そして、しのぶの蜈蚣が容赦なく毒を刺した。
それは本当に勢力を出し尽くしたと言ってもいいだろう。
無惨に打ち込まれた薬の効果も、段々と現れてきているようだ。
再生が遅く、最初よりも動きが鈍い。
いける…いけるのでは…⁈
…と思っていたその時。
ドォオン!!!