第44章 命あってこそ
小芭内の刀の刀身が赫く染まる。
しかし、小芭内はガクンと膝をついてしまった。
刀身を赫くするのに躍起になり、全ての力を注いでしまった為酸欠を起こしてしまっていたのだ。
そんな姿を無惨が見逃すはずがない。
すぐさまビュンと鋭い管が向かってくる。
実「伊黒ーーーー!!!」
「伊黒様!!」
義勇と杏寿郎が助太刀に入ろうとするが、無惨のスピードに追いつけず、小芭内のいた場所には攻撃と共に砂埃が立った。
(間に合わなかった…!!)
と、思った時
小芭内は宙に浮いていた。
杏「⁉︎」
無惨はすかさず小芭内を刺しにいく。
しかし、その姿はぐんっと不自然に横に移動をした。
無惨が気を取られていると、ザンッと無惨の腕が斬られた。
誰に斬られたのかと辺り見渡すが、他の管が柱達の行く手を阻み、義勇と杏寿郎は小芭内の助太刀に入っていた。
唯一動けるのは泰葉のみ。
しかし、泰葉には斬る術がない。
(…ということは、いるな。
珠世の術で姿を隠してたとはいえ、動いている限り存在は消せない。)
1人…
2人…
3人…
無惨は気配のする場所に管を打ちつけた。
そこに現れたのは、伊之助、善逸、カナヲの3人。
愈史郎の目眩しの術で姿を消していたのだ。
善「いっだぁぁぁあ!!!やだあ!もぉ!!!」
カ「くっ、こんなに早く気づかれるとは…!!」
伊「いってぇぇ!!この糞虫がぁ!!!」
泰葉は姿が見えずどうしたかと心配したが、3人も無事なようで安心した。
小芭内を危機的状況から救ってくれたのは3人なのだろう。
行「お前たち!生きていたか!!」
伊「死んでたまるかぁ!!!」
伊之助はどこから持ってきたのか、沢山の目眩しの術の紙をバラバラと撒いた。
あれがあれば姿を消せる!!
泰葉が紙を取りに行こうとした時、無惨が攻撃を向けてきた。
「!!!!」
ビュンと向かう爪は泰葉には届かず、顔寸前で止まる。
その攻撃を止めてくれていたのは、小芭内だった。
小芭内の赫刀に斬られた腕はやはり再生が遅い。