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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第44章 命あってこそ



「杏寿郎さん!!」

泰葉は杏寿郎のそばに駆け寄った。

杏「身体は大丈夫か⁉︎あまり余裕がないので手短に言う!
奴の攻撃を受けると血が入り込み、爛れてしまう。
絶対に受けるな!君は俺のそばをなるべく離れないでくれ!」

「分かった!あ、羽織ありがとう!」

泰葉が羽織を返すと、にこりと笑って杏寿郎はバサッと羽織をはためかせた。


泰葉はもう一度構えを取る。


四方八方から、伸びてくる管に苦戦しつつなんとか無惨への時間稼ぎをしようと向かっていく。

他の隊士達よりはまだ体力のある泰葉は、無惨にとってはちょこまかと動き回り、厄介な存在になっていた。


『貴様、鬼狩りでもないくせになぜコイツらに関わる…。』


ビュンビュンと管を泰葉に向かわせるが、それを避けられ苛立っていた。


(身体中に口がある。体力を回復させるために隙あらば捕食するのね…。
そうなると私が狙えるのは背中中心と、後頭部のみ…厄介だわ。)


何より、あの管だ。
柱達が何度斬ろうと、すぐに再生する。


ズシャッ…


杏「うっ!!」


その時杏寿郎に攻撃が当たってしまった。
左肩に傷を負うと、そこがボコボコと盛り上がってくる。

「杏寿郎さん…!!」

駆け寄ろうとする泰葉を杏寿郎は止めた。

杏「大丈夫だ!!君は自分の身を守れ!」


杏寿郎もだが、ほぼ全員に無惨の毒が回っている。
これはどうしたら良いの…⁉︎
みんなこれじゃ、夜明けまでもたない…!!!


するとその時、ニャーッと猫の声。


「ね、猫⁉︎」


本来なら猫に気を取られている場合ではない。
でも、その猫が気になって仕方なかった。
その猫は三毛猫で、不思議な荷物を背負っている。



そして、その猫は危険だというのにこちらにかけてくる。


「あ!危ない!!」


捕まえようと伸ばす泰葉の手をぴょいと跳び越える三毛猫。
そして、背負っていた木箱のような荷物がパカっと開き、何がバシュッと飛んでいった。


杏「っ!!!何だこれは⁉︎」

実「くそっ、何の仕業だ…⁉︎」


それは毒を浴びている者だけに狙いを定めたのかと思うほど、見事に命中した。
小さな小瓶。



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