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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第43章 仇と執念



キッと睨む泰葉に童磨は舌なめずりをした。

『本当は今すぐに喰べたいところなんだけどね。
それは流石に許されそうにないから、腕くらいはと思ってさ。』


そう言って童磨は泰葉の左腕を掴む。
グッと力を入れられればミシッと音がした。

(く…!折れる…)


喰べられれば壊死の効果で童磨は間違いなく死ぬ。
しかし、杏寿郎のいないこの状況で腕を失えば、戦いには不利。足手まといになってしまう。

ミシッとまた音がして痛む腕に顔を顰めると、童磨の後ろに気配を感じた。
泰葉はグルンと宙返りをして童磨の顔面に踵落としを喰らわせる。

『う゛っ…』


——蜻蛉ノ舞 複眼六角——


しのぶの鋭い突きが童磨の背中に撃ち抜かれた。

「そんなに泰葉さんの力が欲しいようでしたら、私が打ち込んで差し上げます。
本当はもう少し後からが良かったですが…
腕を取られてしまっては煉獄さんに顔向けできませんので。」

攻撃の隙をついて泰葉はしのぶに助け出された。
ニコッと微笑み、チャキン…と刀を鞘に戻す。
忍が打ち込んだのは藤の猛毒と、泰葉の細胞成分。


『え?何?君は毒なのかい?じゃぁ、君も分解できちゃうかも知れないよね?』
ドクンッと童磨の中で脈打つ。

『ぐはっ…』

一度吐血するが、その表情はまた明るく戻っていく。


『わぁ…やっぱり無意味だったみたい。むしろ元気になってきたよ。ありがとう!!』

ニコニコと笑う童磨。
泰葉は本当に効いていないのでは…と不安に思ったが、しのぶの表情は変わらなかった。

し「元気になってしまいましたか?それは残念ですね。」
口先だけの悲壮を漏らし、次の攻撃の構えを取る。
泰葉は左腕にどうやらヒビが入ってしまったらしく、うまく力が入らないでいた。

し「煉獄さんがいないので、なるべくそちらの腕は安静に。」

「…はい。」

この状況で安静に…とは難しいなと思いながら泰葉も構えを取る。



『じゃぁ、また始めよっか。』


——血鬼術 散り蓮華——

童磨が扇を振ると、細かな蓮華の花弁状の香りが舞う。
泰葉としのぶは瞬時に身を退いた。


大量の蓮華の花弁は大量の刃か…
それとも凍る血鬼術か…。



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