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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第43章 仇と執念



カナヲの言う通り、童磨には人に同情するような感情は湧いていなかった。
しかし、童磨は頭が良かったため、嘘を吐いて取り繕った。
自分の心に感覚がないとバレないよう、楽しいふり、悲しいふり。


カ「貴方には嬉しいことも、楽しいことも、苦しいことも、辛いことも。
本当は空っぽで何も無いのに…。
滑稽だね、馬鹿みたい。」

カナヲは少し顎を上げてニヤリと笑った。
その笑みはとても黒い笑み。

カ「貴方、何のために生まれてきたの?」


そんなカナヲに泰葉でさえもぞわりと鳥肌が立つ。


『今まで、随分な数の女の子とお喋りしてきたけど…
君みたいな意地の悪い子、初めてだよ。
何でそんなひどいこと言うのかな?』

童磨の顔にはずっと浮かべていた笑みはなく、チンッと扇を閉じた瞬間ビリビリとした空気が襲う。

しかし、カナヲは表情を変えず、童磨に畳み掛ける。

カ「分からないの?貴方のこと嫌いだから。
一刻も早く頸を斬り落として地獄へ送りたいから。
貴方って、頭良く無いみたい。」

「みっともないから、さっさと死んだほうが良いよ。
貴方が生きてることには何の意味もないから。」



カナヲが言い終わると同時に、童磨はカナヲの背後に回り込んで頸目掛けて扇を振るう。
寸前で前に屈み躱したカナヲは振り向きざまにズバッと童磨の腹を切り裂いた。

カナヲは攻撃を躱しながら、童磨からの距離をとる。


カ「泰葉さん、私アイツが憎いの。
アイツはカナエ姉さんを殺した。
しのぶ姉さんを痛めつけた!!」


ドンッ

——花の呼吸 伍ノ型 徒の芍薬——

花弁の多い芍薬の如く、急角度な弧を描き僅か一息の間に連続的な攻撃を浴びせる。


『7…8…9連撃!良いねぇ!綺麗だねぇ。
じゃぁ、俺も!!』


——血鬼術 枯園垂り——

童磨も対抗して2つの扇を振りまわし、湾曲した氷柱を生み出す連続技を放った。

——弐ノ型 御影梅——

球体を描くような連続の剣撃。
攻撃を受け流して凌ぐ。



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