第43章 仇と執念
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タタタタ…
廊下を走る二つの足音。
炭治郎と義勇だ。
2人はまだ上弦とは対峙していない。
ひたすら鬼舞辻無惨のいるところへと足を動かす。
その時、ガガガガッとけたたましい音がして、炭治郎達が立つ床が大きく揺れる。
炭「何だ…⁉︎この揺れ…」
義「落ち着け、止まるんだ!」
炭治郎はこの音はどこからくるのかとあたりを見渡す。
誰かが戦っているのか…⁉︎
しかし、その大きな音はだんだん近づいている事に気づいた。
…!この匂いは…!!
ドォォン!!
『よく生きていたものだ。お前のような弱者が…。』
『竈門 炭治郎!』
炭「猗窩座ァァ!!」
炭治郎の目の前に降り立つなり、炭治郎に飛びかかる。
炭治郎は猗窩座の攻撃を交わしながら瞬時に刀を振るい、猗窩座の腕を斬り落とした。
猗窩座の腕はすぐに再生され、着地したばかりの首を狙って裏拳を振るう。
——ヒノカミ神楽 幻日虹——
炭治郎の残像を残しながら、炭治郎は攻撃をすり抜けた。
ビッと猗窩座の額から血が吹き出す。
柱ではない炭治郎の戦いぶりに、義勇は驚いていた。
格段に技が練り上げられ、上弦の参にこれほど喰らいつけているとは…。
この力は柱に届くと言っても過言ではない。
『"この少年は弱くない。侮辱するな。”
杏寿郎の言葉は正しかったと認めよう。
お前は確かに弱くなかった。敬意を表する。』
ドンッと猗窩座の右足が踏み込まれると、床はひび割れる。
——術式展開——
足元に結晶が現れる。
どうやら羅針を張ったらしい。
『さぁ、始めようか。
宴の時間だ。』