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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第43章 仇と執念



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泰葉と引き離されてしまった杏寿郎は、唇を噛み締め鬼の気配を探る。
泰葉は強い…しかし、頸を斬れない。
もし上弦などに遭遇したら…

そう考えていると、どこからかものすごい殺気を感じる。どこからくるのかと思っていると、目の前の襖が開かれた。


『…生きていてくれて嬉しいぞ。杏寿郎。』


そう言って立っていたのは


「猗窩座…」




『お前を探したぞ。さらに闘気が洗練されているな。素晴らしい、やはり鬼になれ。』

「存外しつこいな。ならないと言っているだろう!」

『何度でも言ってやる。さぁ、やり合おう…』


構えをとった猗窩座は一気に間合いを詰めてきた。
脇腹目掛けて襲いくる拳を気炎万象で迎え打つ。

それからあの日のように、激しい攻防が繰り広げられた。

一度互いに距離をとった時、猗窩座が口を開く。


『あの女はどうした?あいつとも戦いたかったが、死んだか?』

「君には関係ないだろう。」

『まぁ、杏寿郎とやり合った後、探せば良いか。
あの女は何て名だ?覚えておこう。』

「彼女には近寄らせない。この話は終いだ!」


眉間に皺を寄せる杏寿郎に猗窩座は口角をあげる。

『そうか、杏寿郎を殺せばあの女は来るかもな!』


猗窩座は杏寿郎にまた拳を振り翳す。
杏寿郎はそれを受け流しながら技を仕掛けていく。
しかし、やはり上弦の鬼。再生が早い。
杏寿郎は泰葉と体術で稽古していたので、猗窩座の動きも程々に読めていた。
だが、威力が違う。くらってしまえば骨は砕けるだろう。



——術式展開 破壊殺・羅針——

猗窩座の足元には雪の結晶のような模様が浮かび上がる。

——炎の呼吸 壱ノ型 不知火——

杏寿郎が真っ直ぐに斬り込んでいくと、猗窩座は両手で刀を挟み止めた。


『こんな技では俺は死なぬ。あの日の戦いを忘れたのか?』

「ふっ、その言葉そのまま返そう!」

杏寿郎はくっと口角を上げて、そのまま刀を握る力を強めた。
ググッ
その力に猗窩座は目を見開く。


…この力、本来ならば動かないはずの刀が押し込まれてくる。
なんだ?以前より格段に何かが違う…

猗窩座が杏寿郎を見る。

あの頬にあるのは…痣…
痣が発現した事により力が上がったという事か…?




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