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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第43章 仇と執念




…随分と都合のいい解釈だ。
しのぶの額には筋が浮かぶ。

し「正気とは思えませんね。貴方頭大丈夫ですか?
本当に吐き気がする。」

童磨は初対面なのに随分刺々しい言い方をするしのぶに
『何が辛いことがあったんだね…
聞いてあげよう。』
と、微笑みかけてくる。


その様子にしのぶはとうとう激怒した。

「つらいも何もあるものか!!!
私の姉を殺したのはお前だな?この羽織に見覚えはないか!!」

怒りの形相で童磨を睨みつけるしのぶに対し、あっけらかんとした表情のままの童磨。
口を開けば花の呼吸の優しくて可愛い子だった。朝日が昇ってきて食べ損ねた子だ、とベラベラと喋る。

しのぶは頭に血が昇り、童磨の左目に
——蟲の呼吸 蜂牙の舞 真靡き——
を喰らわせた。

素早く強い突きの攻撃は童磨も避けきれず、左目にしのぶの日輪刀が突き刺さる。

貫通している左目からは血が流れるものの、鬼である童磨は微動だにせず、寧ろその素早さに笑みをこぼしていた。


——血鬼術 蓮葉氷——


童磨が扇を一振りすると周辺に氷のはずの花葉が咲き乱れ、同時に肺を裂くような強烈な冷気がしのぶを襲う。

『突き技じゃぁ鬼は殺せない。頸だよ。やっぱり頸を斬らなきゃ。』

童磨はしのぶの突きを称賛しながらもどこか馬鹿にしたように、刺された左目をトントンと扇で示す。
しかし、しのぶの攻撃の真髄は頸を斬ることではない。



「突きでは殺せませんが、毒ならどうです?」


しのぶが
キリキリ…パチンッ
と刀を鞘に戻した瞬間、童磨の中でドクン…と何かが脈打つ。


ガハッ…!


ガクンと膝をつき、ビシャァッと吐血した。
しばらく嘔吐くとムクリと顔を上げた。
しかし、その顔は少し笑っている。


『あれぇ?毒、分解できちゃったみたいだなぁ…。
ごめんねぇ、せっかく使ってくれたのに。』


しのぶはやはりか…と眉間に皺を寄せる。

『うわー!楽しい!毒を喰らうのって面白いね!クセになりそう。
次の調合なら効くと思う?やってみようよ。』


毒が本当に効いたらどうするつもりなのか…。
全く掴めない童磨に嫌気がさしながらも、それから5回程童磨に毒を打ち込んだ。
しかし、それも虚しく悉く毒が効かない。



これが上弦の強さ…。
耐性がつくまでの早さが異常だ。





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