第41章 開戦
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鬼舞辻と耀哉が話している頃
天元は気配を消し、屋根の上から状況を見た。
天元は庭を見て目を見開く。
泰葉を拘束している男。
それが金崎だったからだ。
…どういう事だ?
アイツがなぜあそこで泰葉を拘束している…。
混乱する頭を収めながら更に状況を把握する。
庭には二人の娘…
金崎と泰葉。
そして、おそらくあの黒髪の男が
鬼舞辻無惨。
その目線の先にいるのがお館様だろう。
天元はすぐに杏寿郎たちの元へと移り、状況を話す。
天「…落ち着いて聞いてくれ。
泰葉を拘束しているのは金崎だ。
気配からして、アイツは鬼に命を売ったようだ。」
天元の言葉に皆言葉を失った。
鬼殺隊員であった男が鬼となっただと…?
杏「泰葉さんは無事か?」
天「あぁ。まだ今のところは傷もなさそうだった。
あと数分としないうちに動き始める。
俺が合図を送るから、それで動いてくれ。」
そう言って天元はまた屋根へと足を忍ばせた。
杏寿郎たちも天元の合図がわかる様に移動する。
天元は注意深く鬼舞辻の動きを見る。
…どう出る?
どう仕掛けてくる…
すると、鬼舞辻からと思われる強い殺気を感じた。
…今か!!
天元は指文字で杏寿郎達に合図を出す。
杏寿郎達が天元に続くと、珠世の血気術が作用している様で、金崎と鬼舞辻は幻覚に惑わされている。
しのぶから珠世の血鬼術について説明をされていた杏寿郎達は息を止めた。
2人は泰葉が気になるところだが、まずは任務遂行に全てをかける。
天元が耀哉を
杏寿郎があまねを横抱きにして瞬時にその場から逃げた。
ドォォン!!
大きな轟音と爆風が2人の背中を強く押す。
抱き抱えた2人を守るように屋敷の奥へと進み、一室に入る。
そこには泰葉の両親、智幸と花枝が待機していた。
杏「!!!」
「ここからは私達がお守りします。」
実は2人は居合の達人。
それを知っていた槇寿郎が呼びつけていた。
そして得体の知れないものを見ても怯まない精神も持ち合わせている。
2人の脇には日輪刀。
今回特別に槇寿朗が手配していたのだ。
「杏寿郎くん、泰葉を頼みます。」
「はい!」
杏寿郎は頷いた。