第41章 開戦
息を止めた泰葉はグッと全体重をかけて体勢を低くさせる。
凝慘はまさかの動きに気を取られた。
泰葉は地面を蹴り上げ、逆上がりの容量でぐるんと凝慘の背中側に回る。
『くそっ…女…!!』
そう言った時には泰葉の蹴りが凝慘の左顔に入る。
『ぐぁ!!!』
解放された泰葉は急いでにちかとひなきの方へ駆け寄った。
チラリと屋敷を見ると、天元が耀哉を。杏寿郎があまねを横抱きにして行くところだった。
…良かった、向こうも間に合った様だ。
無「ふざけるなぁ!!逃すものか!!!」
無惨が血鬼術を使おうとした時
ドォォン!!!!!
泰葉は後ろからの爆風に背中を押された。
にちかとひなきを両腕に瞬時に抱え、二人の頭を守る様に建物の中に転がり込んだ。
「…っ!!!
お二人とも、大丈夫ですか⁉︎」
にちかとひなきは頷きながら涙をこぼした。
『私たちは大丈夫です。
…泰葉様、どうかご無事でいてください。』
二人の言葉に頷いて泰葉はすぐに立ち上がった。
「ありがとうございます!
お二人ともなるべくお部屋の奥へ!
後は私たちが引き受けます!」
そう言って泰葉は駆け出した。
無惨がいた場所へと戻ると、無惨の身体は爆破で半分ほど吹き飛んでおり、薔薇の荊棘の様な大きな棘に突き刺されていた。
そして、無惨の鳩尾に手を突っ込んでいるのは珠世。
薬は計画通り打ち込まれた様だ。
珠「私はお前とここで死ぬ!!!!!」
「悲鳴嶼さん!お願いします!!」
珠世が叫び、行冥が斧と棘付きの鉄球が鎖で繋がれた武器をブンッと振りかざす。
「南無、阿弥陀仏!!!!」
ゴウン!と思い音と共に鉄球が無惨の頭にゴシャッと命中する。
首から頭がもげ、頸の骨が剥き出しになった。
…頸をとった…⁉︎⁉︎