第41章 開戦
大切な人の命を理不尽に奪った者を許さないという想いは永遠。
鬼舞辻無惨は誰にも許されていない。
この千年間、一度も。
そして、何度も何度も虎の尾を踏み
竜の逆鱗に触れている。
本来ならば一生眠っていたはずの虎や竜を鬼舞辻は起こした。
ずっと睨んでいる…
絶対に逃すまいと…
耀「私を殺したところで鬼殺隊は痛くも痒くもない。
私自身はそれほど重要じゃないんだ。」
耀哉は続ける。
耀「この人の想いと繋がりが君には理解できないだろうね。
なぜなら君は…君たちは、
君が死ねば
全ての鬼が滅ぶんだろう?」
そう耀哉が口にした途端、鬼舞辻の気配が殺気立つ。
今までに無い威圧感に泰葉は思わず吐き気がした。
無「…黙れ、言いたい事は終わりか?」
そう言ってメキメキと爪は鋭さを増し、耀哉に向かっていく。
もうあと数秒で耀哉の命を奪うだろう。
仕掛けるならば今しかない。
しかし、どうやって…
耀「最後に教えてあげよう。
君が人質にとっている彼女は、君たちの思っているようなヤワな女性じゃ無い。
甘く見ない方が良いよ。」
ー惑血 視覚夢幻の香ー
耀哉がそう言い終えると、それを合図にしたかの様に
ぶわっと辺りが美しい情景に覆われる。
今まで見えていた屋敷や日本庭園は無く、辺りが幻想的に変わる。