第39章 嫉妬 ❇︎
杏寿郎の舌は泰葉の左耳を攻め立てる。
ピチャ…という水音が鼓膜を刺激するたびに身体の力が抜けていく。
もう泰葉が抵抗できなくなった状態を確認して、杏寿郎の右手は頬から首筋、鎖骨をなぞるように滑っていく。
柔らかな膨らみを手のひらで包めば、襦袢の上からでも分かるくらいにツンと主張する頂。
そっと揉みしだきながら時々爪でピンと弾く。
すればビクッと身体を震わせる泰葉。
「あっ・・・あんっ!」
それを何度か行えばもう足腰は使い物にならず、ガクンと座り込もうとする。
杏寿郎は泰葉の足の間に膝を入れ、壁にもたれかけさせながら膝に座るようにさせた。
杏「ほら、まだ座ってくれるな。
俺はまだ立った状態で楽しみたい…」
耳の中に尖らせた舌をいれ、胸の頂を弾く。
足の間に入れた膝をゆさっと揺すれば、また嬌声が上がり泰葉の身体はピクピクと震える。
耳元でと胸の頂、膝による秘部への刺激。
弱いところを同時に刺激されたことにより、軽く絶頂を迎えていた。
涙目で杏寿郎を斜め下から見上げる。
息も上がり肩で息をしながら、口元も締まりがない。
その姿に杏寿郎はゾクリと身震いする。
「杏寿郎さん…まだ…怒ってる?」
欲情している泰葉の表情。
しかし、瞳には微かに怯えが見え隠れしていた。
いつもより意地悪をしすぎたか…。
杏寿郎は、はぁー…と大きく息を吐いた。
杏「…すまない、いつもより意地悪をしたな。
もう怒ってはいない。妬いてはいるがな。」
ゆっくりと泰葉を座らせる。
杏「さぁ、ここからはうんと優しく抱こう。
怖い思いをさせてしまったからな。」
杏寿郎は押し入れから布団を取り出し、手早く敷いた。
力の入らない泰葉を横抱きにして布団へと連れて行く。
泰葉を降ろそうと膝をついた時に杏寿郎は気づく。
杏「…もう準備は万端のようだな?
俺の浴衣の膝にシミができている。君ので濡れてしまったのだろう…。
な、泰葉?」
耳元で囁かれる恥ずかしい事実。
泰葉は両手で顔を覆いふるふると首を横に振った。
杏「違うのか…?
恥ずかしいことではない。俺を受け入れるのを待っているのだと嬉しいがな。」
「もう、恥ずかしい…」