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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第5章 煉獄兄弟



ズンズンと歩き、珍しく怒っている千寿郎。

杏寿郎は困ってしまい、声をかけた。

杏「千、何故そんなに怒っているんだ?
待たせてしまったからか?…歌舞伎を見て楽しかった気持ちを壊してしまい、すまなかった!」


千寿郎はピタリと立ち止まる。
そして振り返ると、申し訳なさそうに眉を下げていた。

千「すみません…
兄上の事を怒っているわけではありません…。」


杏寿郎は不思議に思い、何があったかを聞いた。


杏「……なるほどな。
その男の行動は許し難いな!
しかし!兄は嬉しいぞ!
女性に対する優しさを持つのは良いことだ!
千は女性を幸せにできるだろうな!」


千寿郎は、貴方も同じでしょう。と思いながら
また街の中を歩き出した。


その後は千寿郎が行きたがっていた本屋に行ったり、
木刀を新調したりした。
そして今は呉服屋にいる。
成長期真っ只中の2人は、久しぶりに着物を仕立てる事にした。
千寿郎は終わり、杏寿郎が測ってもらっている。

その間は手持ち無沙汰なので、
店の入り口付近にある、着物の布で作られた金魚の置物を眺めていた。
金や銀の色で描かれた華を纏った、赤い金魚。
父、母、子だろうか、大中小と並んでいた。


可愛らしいな、と思っていたら、向かいの店で騒ぎが起きているのに気づいた。

何やら、店のお婆さんが気に食わなかったのか、怒鳴りつける男性がいた。

男「ボケてんのかババア!釣り銭が合わねえって言ってんだろう!」


…男の話は多分嘘だろう。
口元がニヤついている。

お婆さんに大声を出すなんて。
千寿郎が向かおうとした時、女性の声が響いた。


「お婆さんが怯えているじゃない!
そんなに言うなら、私が確認するわ!
買ったものをだしてちょうだい!」

「あの人は…さっきの…」

癖のかかった肩くらいの黒髪
ぱっちりとした目
鼻筋は通って
ぽってりと形の良い唇
凛とした美しさの中に可愛らしさが目立つ。
臙脂の着物には裾に遠慮がちに金と銀の華が咲いている。

しかし、幾分男に楯突くには可愛すぎる。


男「ああ?お前には関係ねぇだろ!」
男は女性の顔を掴もうとする。

パシッ

女性は手を払った。

「買ったものを出して。」

キッと睨みつける女性。

しかし、男は更にニヤついた。

男「よく見ると、いい女だなぁ。」


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