第37章 合同強化訓練
泰葉も小芭内の太刀筋がどう曲がってくるか、そしてどこに潜んでいるかなどが予知できるようになり、咄嗟の打撃でも隊士に当たることなく拳を打ち込めるようになった。
そして攻撃が当たり、炭治郎は小芭内羽織の裾を切る。
泰葉は小芭内の持つ木刀を弾き、訓練終了となった。
小「ふん。まあいい…終わりだ。」
少し不服そうな小芭内。
どうやら、まだ炭治郎に怒っているらしい。
小「泰葉、お前は最初からそんなに動けたのか?」
小芭内の質問に、首を傾げる泰葉。
小「いや、普通に過ごしていた時もそんなに素早く動けたり、力があったなら、甘露寺のように嫌なことを言われたのではないかと、気になっただけだ。」
蜜璃のことが大好きだからこそ、気づくのだろう。
やっぱり小芭内は優しいのだ。
この訓練はあれだけど…。
「お気遣いありがとうございます。
しかし、今思い返せば刀鍛冶の里の時、1人で走った時には全く体力がありませんでした。
なので、そのような経験はありません。
ですが、柱稽古では宇髄様の稽古の時から鬼と対峙している時のような力を発揮できています。
なんでだろう?」
首を傾げる泰葉。
流石に小芭内は「それは知らん!」と一蹴した。
小「まぁ、何もないならいい。泰葉はとにかく気をつけろ。」
優しい言葉をかけた後、炭治郎にギロリと向き直る。
小「じゃぁな、さっさと死ね。ゴミカス。
馴れ馴れしく甘露寺と喋るな…。」
最後まで嫌われている炭治郎。
炭「あ、ありがとうございました…。」
流石に泰葉も可哀想だなと炭治郎の頭を撫でた。
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炭「何であんな嫌われるんだろうなぁ。」
「初めて会った時からそうなの?」
炭「初めて会った時…それが1番の原因かもな。
初めて会ったのは、俺と禰󠄀豆子の裁判だったんです。」
「え、裁判?」
裁判とは…また物騒な。
炭治郎は何か罪を犯したのだろうか?
炭「禰󠄀豆子は人を喰ったことがありませんが、それを信じてもらうのは大変でした。鬼を連れた鬼殺隊士なんて、前代未聞でしょうから。それで裁判にかけられて、柱の皆さんとはそこが初対面でした。
今では煉獄さんも認めてくれていますが、最初は鬼もろとも斬首するって言ってたんで、俺も斬られるところでした。