第37章 合同強化訓練
伊黒邸につくと、そこはゾッとする光景だった。
『よ、よろしくお願いします…』
小「泰葉は怪我のないよう気をつけろ。
そして…竈門炭治郎、俺はお前を待っていた。」
炭「えぇっ」
小「甘露寺からお前の話は聞いた。
随分とまぁ、楽しく稽古をつけてもらったようだな。」
蜜璃と小芭内は文通しているようで、その内容に炭治郎の話が出ていたのだろう。手紙に他の男の話。たしかに面白くない。
小芭内の目はそれはそれは鋭く、首元に巻かれた白蛇の鏑丸とシャー!と睨みを効かせていた。
小「俺は甘露寺のように甘くはないからな。」
小芭内は左右の瞳の色が違う、いわばオッドアイ。
そして鋭い目つきは、杏寿郎とはまた違った圧がある。
炭「なんだか…初っ端から、嫌われている…」
「は、ははは。」
泰葉も渇いた笑みを浮かべた。
そして、道場はというと。
もはや処刑場。
道場の中には沢山の柱があり、そこに隊士がぐるぐる巻に括られている。
炭「この人達は何か罪を犯しましたか?」
小「まぁ、そうだな。
弱い罪、覚えない罪、手間を取らせる罪、イラつかせる罪だな。」
もう、色々とひどい。
この括られた間を縫って小芭内の攻撃がくる。
炭治郎が持っているのは木刀だが、隊士に当たれば大怪我だ。
そして、何よりも厄介なのは…
小芭内の太刀筋が曲がること。
真っ直ぐな木刀のはずなのに、ぐねんと曲がるのだ。
さすが蛇柱。太刀筋も蛇の如く。
この訓練は泰葉も一緒。
小芭内の木刀を弾くか、小芭内自身に触れられれば勝ち。
しかし、これがなかなか上手くいかない。
何より、括られた隊士達の声
【頼む頼む!当てないでくれ!助けてくれ!!頼む!!!】
そして、少しでも油断しようものなら…
ゴツッ
「痛っ!」
小「ゴミ屑達に気を取られるな。
迷いを持ってかかると、余計なところに力が入る。
こいつらに当たってしまうなどと考えるのはよせ。」
なかなか、無心になるのが難しかったが、4日も経てば
炭治郎は今までにない程の正確な太刀筋で打ち込めるようになり、小芭内の攻撃を避けながら、逆に攻撃をすることができるようになった。