第37章 合同強化訓練
無「なんで…それを?」
無一郎は驚いた様子で泰葉を見る。
「…なんだろう。そうじゃないかな?って…。」
泰葉も何故分かったか分からなかった。
しかし、きっとそう言ったであろう言葉が口から出ていたのだ。
無一郎は泰葉を抱きしめる。
泰葉は戸惑ってしまう。
「無一郎くん…?あの…」
無「泰葉。ありがとう、僕はやっぱり君が大好きだよ。」
抱きしめられながら無一郎が急にそんな事を言い出すので、泰葉はボンっと赤くなる。
そして、周囲も固まり赤くなる。
その時、元気な声が部屋に響いた。
炭「時透くーん!終わったよー!…ってあれ⁉︎」
周囲からの『空気を読め!』という圧が炭治郎にかかる。
しかし、炭治郎は気にせず泰葉と無一郎のところにやってきた。
炭「2人は仲良しなんだなぁ。泰葉さんも人気者で大変ですね!」
無「うん。僕は泰葉が大好きだからね!仲良しだよ。
…炭治郎は、もう終わったんだね!
それじゃ、明日から僕と打ち合いしよう!直接足の捌きを教えるよ。」
その日の夜、時透邸では自炊なため、炭治郎と泰葉が食事を用意する。
無「自分たちだけのでいいよ。他の奴らは自分で用意させなよ。」
ジト目で、隊士達を見る。
「いいのよ。得意な人がいれば、その人がやったらいい。
私なんて、ほぼ見学なんだから。」
無「…それは泰葉が上出来だったからでしょ。」
「ありがとう。無一郎くんも一緒に食べよう。
みんなで食べると美味しいから。」
簡単なものしか作れなかったが、炭治郎の炊くご飯はとても美味しい。そして、泰葉の作る味噌汁と焼き魚、お浸し。
これだけでも隊士達には幸せな食事だった。
『あー。泰葉さんの手料理か…。
お嫁さんに来てくれたら、毎日食べられるんだよな…。うまー。』
『ダメ元で言ってみようかな…。
でも、やっぱり想い人いたりするのかな?時透様?』
『さっき大好きだって言ってたし、抱きしめたよな。』
隊士達の間で噂が立ち始めたとは露知らず。
泰葉達は食事を頬張った。