第37章 合同強化訓練
障害物の課題に取り組むため、隣の山へとやってきた。
その山にあるのは障害物というより…
「こ、殺される…⁉︎」
天元は元忍び。
途中でクナイが飛んできたり
落とし穴があったり
槍が降ってきたり
縄が足元に絡まり吊るされるようになっていたりと
仕掛けがわんさかだった。
しかし、泰葉にはただ走るよりもこちらの方が危機感を感じるためやりやすかった。
横から振り子のように迫り来る丸太をかわし、その丸太に飛び乗る。
そして、この先に考えられる仕掛けを予想し、木々へと跳び移る。
その途端に顔面めがけて矢が飛んできた。
避けられなかったらどうしてくれるのだろうか…。
なかなかに、骨の折れる数の仕掛け。しかも通るたびに仕掛けの位置や数が変わっている。
これも、ムキムキ鼠達が変えてくれているのだ。
まったく、優秀すぎる鼠である。
炭「いやー、泰葉さんすごいな!軽々と躱して行っちゃうなんて。」
障害物に関しては狭霧山で似たような鍛錬を積んだ炭治郎よりも早くこなすことができた。
もちろん、炭治郎も無傷。
天「お前らには軽すぎたか…。
ま、もう少し俺を楽しませてくれよ。」
泰葉と炭治郎に軽々と越えられ、悔しくなった天元は日に日に仕掛けを増やしていった。
それにトバッチリを受けたのは他の隊士達。
『ひぃぃぃ!!!』
『し、死ぬぅぅぅ!!!!!」
怪我人が日に日に増えていった。
「私、治癒した方が…」
そう言う泰葉を天元が全力で阻止する。
天「待て!どうやって治癒するって言うんだ?涙も出てないし、傷だってない。
…まさか全員に口づけしようなんざ思ってねぇよな?」
流石に泰葉だってそれは気が引ける。
しかし、傷だらけになった隊士達を放っておくことも出来ず、泰葉は黙った。
天「はぁ。まじかよ。
そんなことしたら煉獄泣くぜ?好きな女が他所で他の男に口付けてるなんて知ったらよぉ。」
天元に言われ、泰葉は確かに…と思った。
天「ちゃーんと、手当できるように隊士達も仕込まれている。
心配すんな!強くなるためには痛みだって必要だ。
泰葉の力はいざという時にとっておけ。」
泰葉は黙って頷いた。