第36章 繋ぐべきもの ❇︎
「泰葉さんっ、そんなの…どこで、覚えたんだ…っ」
泰葉の温かい口内で時折吸われれば眩暈がしそうな快感が襲いかかる。
泰葉の口には大きすぎる杏寿郎のモノは咥えきれないが、手も使って扱かれる。次第に我慢できなくなった杏寿郎は、泰葉の頭を押さえつける。
「すまないっ、少し辛抱してくれっ!」
そう言って杏寿郎は思いのままに腰を動かした。
「んっ、んぐ…ふっ、」と苦しそうな声を出しながらも、頑張って咥え続ける泰葉。
杏寿郎は限界が近づき、より腰の動きを早めると「くっあ…出るっ」と、泰葉の口内へと白濁を吐き出した。
…という夢のお話。
「っは!!!」
ガバッと起き上がる杏寿郎。そこは自室で一人だけの布団。
気怠い感覚が杏寿郎を襲う。
杏寿郎はサーっと青ざめる。
自分の股間あたりが湿っぽく、若干冷たい。
布団を上げて、確認する。
「よもや…よもやだ。
これはまずい。」
煉獄杏寿郎 21歳。
恋人との情事を夢に見て、夢精。
初めての経験だった。
静かに起き上がり、自分で洗ってそっと影に干した事は誰にも内緒である。