第36章 繋ぐべきもの ❇︎
その頃杏寿郎は寂しい日々を送っていた。
自室で眠るのは数日ぶり。こんなに寂しいものだったか。
泰葉の温もり、かわいい声。
全てが愛おしい。
「よもや…全く重症だな…。」
目を瞑ると、泰葉が両手を広げ笑っている。
その腕の中に収まると、自然と口付けを交わす。
最初は触れるだけ。次第に息苦しくなった泰葉が口を開くのを見計らって、己の舌を滑り込ませる。
「ん…ふぁ…」
甘い吐息が溢れ始め、二人の舌が絡め合うたびに水音が響く。
だんだんと泰葉の呼吸が浅くなり、足がカクカクとしてくる。杏寿郎の手は片方は泰葉を支え、もう片方で尻を撫でる。
耳元に指を這わせればピクンと体を跳ねさせる泰葉。
唇を離して耳元に舌を這わせれば「あっ…」と声が漏れる。
二つの膨らみを優しく揉んでいくと、頂がツンと主張してくる。その主張をキュッと摘めば、とうとう足腰は使い物にならず、ゆっくりと布団の上へと寝かせていく。
覆い被さるようにすると、「杏寿郎さん…」と、トロンとした瞳で見上げてくる泰葉。
「君はやっぱり愛らしいな…」
そう言うと、少し恥ずかしそうに笑う。
ゆっくりと浴衣を脱がし、露わになった白い肌に口付けや、舌を這わせていく。
その度にピクンと体を震わせ、「あっ・・」「やっ…ん…」と甘い声を上げる。すると、泰葉がむくりと起き上がる。そして、杏寿郎の胸元を押し、肘をついて寝かせる。
「今日は私が良くしてあげます。」
そう言って、泰葉は寝巻きをめくり、褌越しに昂りに触れる。「うっ…」と、声が出てしまう。
泰葉は少し褌をズラして、昂りを露わにさせた。
白い指が昂りの形をなぞるように触る。
ピクンと反応してしまう。
すると、泰葉の顔が近づいてくる。
「泰葉さん、一体何をっ⁉︎」
あろうことか、泰葉の舌が先端に触れる。
「うぁっ、泰葉さん、そんなことしなくていいっ!」
杏寿郎は慌てて止めるが泰葉は辞めようとせず、微笑んでいる。
赤い舌がくるくると先端をなぞる。
そして、はむっと昂りを口に含んだ。
「いけない、辞めなさい。」
言葉とは裏腹に快感が襲う。
泰葉はくぷっとできる限り口に咥え、舌を這わせながらゆっくりと上下する。