第35章 誕生日　❇︎

杏寿郎は耳が性感帯なのだと判断し、耳の輪郭に唇を這わせる。
ピクピクと反応する泰葉をチラチラと見ながら、時折舌で耳の輪郭や、裏を舐めた。

「んぅ！や…あっ…」

とかわいい声が聞こえるものだから、杏寿郎の中の邪な心が顔を覗かせる。
ちゅ、ちゅっと耳に口付け、次第に下がって首筋にも口付ける。
やっ…と声を上げながら首をすくめる。


ここも感じるのか…


首筋に舌を這わせ、輪郭から鎖骨までを往復したり、何度も口付けたりした。
その度にビクッと大きく身体を震わせる泰葉。
杏寿郎には愛しくて堪らなかった。
右手も段々と下りていき、柔らかな胸へと到達した。
浴衣の上からそっと触れる。ふわふわという表現が相応しいだろう胸を何度も触る。揉んだり少し回してみたり…
その間も泰葉は甘い声を上げる。

そのうち、ツンと突起したものが主張し始める。
浴衣の上からクイっと触ると、「あっ…ぁん！」と一際大きく声が上がった。

杏「痛いか…？」

泰葉は首を振る。

「なんか…変なの…」

杏寿郎がもう一度クイっと触ると、ピリピリとした感覚が泰葉を襲う。
今度は親指と人差し指でくりっと摘む。

「んぁ！あぁっ…」

と腰も一緒に動いた。
腰が動くと、自然と杏寿郎の太ももに擦れる。
それも刺激となり泰葉の足腰はとうとう使い物にならなくなった。

杏「活動写真の男女はこのまま消えていったな。
彼らはこの後どうなったのだろうか。」


そんなことを言いながら杏寿郎は泰葉を布団へと寝かせた。
泰葉は沢山の刺激に襲われ、はふはふと息を切らせている。

杏「あぁ。実に愛いな…。いつもの泰葉さんからは想像できない顔をしている。」

杏寿郎は泰葉の上に覆い被さり、また口付けを落とす。
もう何度目か分からない口付けは、泰葉を溶かすだけだ。
浴衣の上から胸を揉みしだき、時折突起を弄っていると…

「あっ、ん…も…だめっ…あぁぁ！！」

と悲鳴に近い声をあげてビクンビクンと身体を震わせた。

杏「まさか…果ててしまったか？」

まだピクピクと身体を震わせながら、両手で顔を隠す泰葉。
杏寿郎はそっとその手を退かす。

「や…見ないで…」

杏「君は感度が良いのだな。」