第35章 誕生日 ❇︎
離れに戻って泰葉は湯浴みをする。
しかし、ソワソワして落ち着かない。
私、これからどうしたらいいのかしら…
杏寿郎さんを迎えにいく?
それとも、ずっと待ってたら良い?
どこまで…どうするんだろう…。
最後まで…するのかしら。
泰葉はお湯の中で、そっと秘部に手を伸ばした。
綺麗にしておかないとと思い、少し触れたが、それだけでじんと身体が熱くなった。
「!!!」
そんな自分の反応に、ブワッと恥ずかしくなる。
考えすぎと、恥ずかしさで逆上せそうになって慌てて上がる。
(もしかしたら、杏寿郎さんはそこまでするとは思っていないかもしれないし!)
そう思いながら浴衣に着替えて、髪を軽く乾かす。
そして、居間にいくと…
杏「なかなか長湯なのだな!!!」
「ひゃぁ!!」
そこには杏寿郎が座っていた。
「きょ、杏寿郎さん来てたのねっ!」
杏「勝手に入ってはいけないかと思っていたのだが、どうしたらいいか分からなかったのでな!
母屋にある予備の鍵で入ってきてしまった。」
杏寿郎は申し訳なさそうに眉を下げた。
杏「…泰葉さん、よければ少し風に当たらないか?
君に大切なことを話したい。」
泰葉は長湯をしたので、少し体を冷ましたかった。
杏寿郎と共に縁側に腰掛ける。
「大切なことって…?」
杏「泰葉さんは覚えているか分からないが、刀鍛冶の里の戦いで俺の頬に痣が出たのを知っているだろうか?」
泰葉は記憶を思い起こす。
「ここにあった赤い…?」
自分の左頬に指を当てる。
杏「あぁ。あれは呼吸の使い手が、最大に力を発揮する際に現れるものだそうだ。
それが、今回竈門少年をはじめ、甘露寺、時透にも現れたんだ。そして、あまね様の話によると…」
杏寿郎が言葉を詰まらせる。
泰葉は杏寿郎の言葉を待った。
杏「今までは、例外なく25歳を迎える前に命を落とすそうだ。」
「え…?」
杏寿郎が25歳を迎える前に、命を落とす?