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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第34章 黒い薔薇



杏「うむ!その際には、よろしく頼む!」

泰葉は頬を赤らめながら、店主に会釈をした。
杏寿郎は、今買ったばかりの薔薇を泰葉に手渡す。


杏「今日、泰葉さんに贈る赤い薔薇は一本だ。
贈る本数で意味が変わってくると聞いた。
一本の意味は、一目惚れ。あなただけ、という意味があるそうだ!」

泰葉は薔薇の花を受け取る。
恥ずかしかったが、とても嬉しかった。

「ありがとうございます。
今はとても幸せな気分です。」

柔らかく微笑む泰葉。
杏寿郎はその頬を優しく撫でる。
暖かく、甘い雰囲気を醸し出す2人。

コホン。

その時、咳払いが聞こえる。

店「お幸せそうなところ悪いけど、店先なのでね。
ごめんなさいね。」

申し訳なさそうに店主が声をかける。

杏「むぅ!すまない!」
「ご、ごめんなさい!」

2人が頭を下げると、店主は首を振って、またいつでも来てね。と言ってくれた。
その言葉に安堵と恥ずかしさを感じながら、2人は家に向かって歩き出した。


泰葉は嬉しそうに薔薇の花を見る。
ふわりと時折良い香りが漂う。


杏「気に入ってくれたか?」

「はい。薔薇の花を贈られたのは初めてよ。
花の贈り物は嬉しいものね!」
「あっ、そういえば杏寿郎さんのお誕生日はいつ?」


誕生日にでも、何かお返ししたい。

杏「5月10日だ!」

「5月10日…。」


泰葉は今日は何日だっけと考える。
今日は…5月8日。


「明後日じゃない!!!!」



泰葉は思わず大声を出した。
バッと杏寿郎を見ると、それが何か?みたいな顔をしている。


「明後日、お誕生日だったの?危なくすぎるところだったじゃない!!」

杏「誕生日など、ほとんど仕事に追われて祝う事をしなかったからな!しかし、いつも千寿郎は好物だらけにしてくれるんだ!」

今までは兄弟2人での誕生日だったのだろう。
でも、今回は家族揃って祝う事ができるではないか。


「すぎる前に聞けて良かった…。
杏寿郎さん、何か欲しいものとかはある?
私から贈らせて欲しいの。」


恋人になったのだから、贈り物くらい贈らせて欲しい。
男性の欲しいものなど、見当もつかなかったので本人の欲しいものが良いだろう。
泰葉は杏寿郎の答えを待った。



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