第4章 柱合会議
耀「西ノ宮を彼女は名乗り、その戦闘能力からして、間違いなく一族の生き残りだろう。
むしろ、その名を名乗っているのは、鬼舞辻に東條の名を知られているからだろうね。」
なるほど。
杏寿郎は頷いた。
しかし、杏寿郎の戦闘に加勢してしまった事により、顔などは知られてしまった。
鬼舞辻に狙われる可能性も出てきた。
耀「杏寿郎、この話は柱達には詳しく伝えようと思う。
これは、一般人である彼女の身を守る為、
鬼舞辻に力を与えない為にも。」
杏「御意」
耀「それと、私は彼女がもつ治癒能力については分からない。
君の父に聞いたらどうかな?
槇寿郎は直接話を聞いている。
もしかしたら、何かを知っているかも知れないよ。」
耀哉は柔らかく微笑んだ。
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その後の柱合会議では、
十二鬼月の能力についての報告
鬼の傾向
隊士の能力向上について
そして泰葉について話し合われた。
柱達は一族の話を聞いて、驚きを隠せなかった。
唯一、粗方の話を知っていた
しのぶだけが、
なるほど…と納得した様子。
そして、一般人として生活をしている泰葉を
柱達で守っていく事になった。
まずは泰葉を耀哉、杏寿郎と面会させる。
そこで記憶が戻るか、戻らないかで対応を考えようということとなり、話は終わった。
耀哉は退室する前に、杏寿郎の前で立ち止まる。
耀「…杏寿郎は彼女に会うか、悩んでいるのかい?」
杏「はい。」
杏寿郎は泰葉の記憶に対して、思っていることを打ち明けた。
耀「杏寿郎は優しい子だね。
でも、それは心配いらないよ。
消したい記憶は何かしら、誰にでもある。
しかし、それを選ぶのは彼女自身だ。
杏寿郎の事を見て思い出したのなら、それはそれで彼女の選択した運命。
彼女が会いたいと思っているなら、会ってあげていいと思うよ。」
人はいつでも、選択しながら生きているんだ…。