第33章 新生活
煉獄家につき、今度は千寿郎も一緒に離れの整理をしてくれた。
千「これは、こちらで大丈夫ですか?」
「うん!ここに置いてもらえる?」
杏「泰葉さん!この棚は…」
「えっ!それ1人で持たないで!腰悪くしちゃうっ」
バタバタと物の配置も決まり、すっかり生活できるようになった。
そして干した布団を取り込めば、完璧である。
「あと1時間もしたら取り込めば大丈夫ね!」
外に干してある布団は2組。
その布団は泰葉が家から持ってきたもの。
それを疑問に思った杏寿郎と千寿郎。
杏「泰葉さん、一つ聞いて良いだろうか。布団が2組干してあるのは…」
「あぁ。これは…」
千「あのっ、僕は兄上がこちらにお泊まりになられたとしても、何も思いませんのでっ!なので、お布団は2組あっても良いと思います!!」
顔を真っ赤にしながら突然叫び出した千寿郎。
その様子にキョトンとする泰葉達。
杏「どうした、千寿郎?
以前は女性の部屋に行くなと言っていたのに。」
千「いえ、恋仲となられた以上、そういうこともあると思いますのでっ!」
千寿郎の言うそういう事。
泰葉は顔を赤くした。
「千寿郎くん、何をどう思ってるのか分からないけど、この布団は来客用に用意していたの。まぁ、頻繁に使われているものじゃないけれど。
いつ誰が使っても良いように干しているのよ。」
「…千寿郎くん、誰かに何か聞いたの?」
純粋無垢であろう千寿郎がそんな事を心配するのを泰葉は不思議に思った。
千「宇髄様が…兄上がこちらに通ったとしても、許すようにと…。」
天元は何を吹き込んだのか…。
泰葉は千寿郎の頭を撫でた。
「そっか。いろいろ察してくれたのね。
でも、遠慮なく千寿郎くんもこちらに遊びに来てね。
一緒に図鑑も見ましょう。私もいろいろ本を持っているから。」
泰葉は子供と関わる仕事をしていたため、植物についてや、星についてなどの本を多く持っていた。
千「いいのですか⁉︎実は本棚に並べながら、興味深い本がたくさんあったので、見てみたかったのです!」
「どうぞどうぞ。興味があるのは良いことよ!たくさん見てね。」
泰葉は千寿郎に微笑んだ。