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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第32章 報告と離れ



泰葉は悔しくて堪らない。

「一緒に住んだら鍛錬どころではなくなっちゃうんじゃないかしら?」

目一杯反撃のつもり。
一緒に住んだら、ずっと話していたいだろうし、泰葉に掃除洗濯を押し付けられてしまうかもしれないし…。

…という意味だったのだが
杏寿郎の中では内容が全く異なっていた。


杏「泰葉さんっ、それは…
そういう事だろうか⁉︎」


え?と思って後ろを振り返ると、顔を真っ赤にした杏寿郎。
今一度、自分の発言を思い出してみると…

「わわわ!!そういうって…どういう⁉︎」

いくら鍛錬と鬼殺ばかりだった杏寿郎とはいえ、蓋を開ければ20歳の青年だ。
恋人にそんなことを言われれば、その気にもなるだろう。


杏「どういう…って…」

だんだんと杏寿郎の顔が近づいてくる。
しかし、離れといってもここは煉獄家。それにここは玄関。
槇寿郎と千寿郎がいつ来てもおかしくない。

「えっ、ちょっと…ここで…」


と、その時。


千「兄上ー!雑巾と箒をお持ちしました!!」

『!!!!』

ガラッと玄関を開ける千寿郎。

そこには顔を真っ赤にして立ったままの2人。


千「あ…僕…」

邪魔だっただろうかという表情の千寿郎。

「い、色々持ってきてくれてどうもありがとう!
さ!ほとんど綺麗だけど、必要なところ拭いてくるわね!」

そう言って上がって行った。


杏「千、兄はたまにこちらに来ることもある。
しかし、泰葉さんは女性なので、玄関の外で呼びかけてから開けるようにしような!」

千「は、はい!すみません!」


そう言って2人も泰葉の後に続いた。



広い玄関に廊下があって、10畳の和室が3部屋。
そして、厠も風呂もある。風呂は母屋ほど広くはないものの、一人には十分のびのびと入ることのできる広さだった。



本当に綺麗にされていたので、ほとんどやることはなく空気の入れ替えだけだった。

「千寿郎くん、綺麗にしていてくれてありがとう。」

千「いえ!物がないので余計にそう見えるのだと思います。」

謙虚な千寿郎。この広い屋敷を管理するのは大変なはずだ。


杏「この渡り廊下は道場の裏を通り、母屋に続いている。少し距離が出るが、雨の日や冷える日はこちらを使うといい!」

「はい。わかりました。」


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