第4章 柱合会議
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2日後
杏寿郎は久しぶりに隊服へと袖を通す。
隊服と羽織に滲んだ血の跡は、すっかり綺麗にされている。
バサッと羽織を纏えば、身が引き締まる。
しのぶは蝶屋敷の引き継ぎがあるため、杏寿郎は先に発つことにした。
3人娘に見送られ杏寿郎は産屋敷邸へと向かう。
走り出そうとした時、杏寿郎の鎹鴉である要がやってきた。
杏「おいで、要。
今日は柱合会議が終わり次第、家に帰ると千寿郎達に伝えてくれ!」
そして頭を撫でてやると、嬉しそうに目を細めて、要は飛び立つ。
久しぶりに父と、千寿郎の顔が見れると嬉しくなった。
そして、杏寿郎は駆け出した。
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産屋敷邸。
杏寿郎が到着すると、待っていたかのように、鬼殺隊当主、産屋敷耀哉の娘 ひなき が出迎えた。
「お待ちしておりました。
本日はこちらのお部屋で会議を開きます。」
そう言って、杏寿郎を案内する。
ある一室の前に着いたところで、ひなきはドアをノックした。
「煉獄杏寿郎様がお越しになりました。」
すると、
「ありがとう、入っておいで。」
と、耀哉の声がする。
杏「失礼します。」
一礼してドアを開ける。
すると、部屋には耀哉しか居ないようだった。
耀「やぁ。杏寿郎、また会うことができて嬉しいよ。
…まだ皆んなは揃っていないんだ。
先に、杏寿郎の話を聞きたいと思ってね。」
杏寿郎は頭を下げた。
杏「お心遣い、ありがとうございます。
無限列車では、一度命を失いかけましたが、このようにお館様にまたお目にかかれることを、嬉しく思います!」
耀哉は目を細めて微笑んだ。
耀「そのようだね。杏寿郎、君のおかげで200名の命は守られたんだ。
炭治郎達の働きもあったと思うが、君自身の働きも大きい。
心からありがとう。」
杏「身に余るお言葉、ありがとうございます!」
さて、と耀哉は杏寿郎に頭を上げるよう促す。
耀「私に、話したいことがあるね?
柱合会議までは時間がある。
聞かせてくれないかい?」
耀哉に椅子を案内され、腰掛けて頷く。
杏「列車にいたのは下弦の壱でした。
その内容については、後の会議で話そうと思います。
しかし、今回私がお話をしたいのが、その後のことです。」