第31章 緊急柱合会議
実「……で?
大事そうに肩なんて抱いて。
俺らに言うことあんだろォ?」
おそらく、実弥はずっと聞きたかったのだろう。
杏寿郎は満足気に泰葉の肩を抱き直す。
杏「うむ!皆に知らせたい事がある!
晴れて俺と泰葉さんは恋仲となった!!」
「えっ、ちょっ!そんな大声で…っ!!」
杏寿郎のハキハキした声に輪をかけて大きな声で報告するものだから、泰葉は恥ずかしくて堪らなかった。
しかし、柱達は全く動じていない。
もっと、「えぇ⁉︎」とか来ると思ったのに。
無「煉獄さん、ようやく伝えたんですね。」
し「姉を取られたような気分です…。」
小「随分と時間がかかったな。」
蜜「素敵だわぁ……」
行「あぁ、めでたい事だ。」
義「……。(やはりか)」
実「そうかい。泰葉、前にも言ったが
煉獄が嫌になったらいつでも来いよォ。
俺たちが迎え入れてやるからなァ。」
「はい。虫歯にしてくれるんですよね?」
泰葉は実弥の言葉に、にこりとする。
杏「む!恋仲になったからと言って気が抜けんな!!」
実「ったりめぇだろォ。どんな思いして俺たちが譲ったと思ってんだ!泣かせたら掻っ攫うからなァ。」
その言葉に、周りの柱全員がうんうんと頷いている。
杏「うむ!精進しよう!!
ちなみに、適合者は俺だ!!」
『は⁉︎』
流石に適合者まで杏寿郎だった事には驚いたようだ。
しのぶと、蜜璃以外の目が丸くなっている。
実「マジかよ。そこまで運命でしたってかァ。」
そりゃ、自分たちの入る隙も無いわけだと肩を落とす。
杏「して、もう一つ相談がある。」
杏寿郎は少し声のトーンを落として、真面目な顔をする。
杏「泰葉さん、ちょっと折り入った話だ。
外してもらえるか?」
泰葉に、ニコッと笑いかける。
泰葉はそう言われたら聞くに聞けないと、頷いてその場を離れる。
杏「金崎という隊士なのだが…
鬼に殺された婚約者が泰葉さんに似ているようで、彼女に異常な執着がある。
なんでも加虐的趣味があるらしい。
しかし、実際に騒動は起こしていないので対処しづらい。
なので、注意して見てくれないだろうか。」
そう言って、杏寿郎は金崎の特徴を共有した。
柱達はもちろん、それに頷いた。