第31章 緊急柱合会議
「合同強化訓練?」
杏「あぁ。柱の屋敷を順に回りそれぞれ柱が稽古をつけて行く。
隊士は強化され、柱自身も絶え間なく相手するので、互いに鍛錬になるということだな!」
泰葉は産屋敷邸の庭で、柱合会議で決まった内容を杏寿郎から聞いていた。
禰󠄀豆子を狙って、これから始まるであろう大きな戦いに備え、鬼殺隊全体を強化する必要がある。
嵐の前の静かさなのか、ここ数日は鬼の動きがない。
この機会に全体の士気をあげようということだ。
「あの…それって…」
泰葉も参加できるものなのかを聞こうとした時、泰葉達の前に他の柱達がやってきた。
実「なぁにコソコソやってんだァ?」
ニヤニヤした実弥が揶揄う。
杏「順は決まったのだな!」
順はというのは、どの順で柱稽古をして行くかという順。
杏寿郎の稽古は厳しいで有名。
また、満遍なく鍛えるので、総仕上げという事で問答無用で最後ということになっている。
なので、その間の順を他の柱達で話し合っていた。
し「はい、とりあえず…」
まずは天元のしごき
基礎体力の向上
蜜璃による
地獄の柔軟
無一郎による
高速移動の稽古
小芭内による
太刀筋矯正
実弥による
無限打ち込み
行冥による
筋肉強化訓練
そして杏寿郎の
総仕上げ。
しのぶは薬の開発が急がれるため、稽古には参加しない。
杏「む…冨岡は…」
義「俺は…稽古しない。」
し「これの一点張りです。」
しのぶはため息をつき、実弥と小芭内は今にも殴りかかりそうなほど殺気立っている。
杏寿郎も流石に眉を下げる。
義勇は何故そこまで頑なに歩み寄らないのか。
杏「分かった。
もし、稽古をつける気になったら教えてくれ。皆、君の稽古も受けたいと思うぞ!」
義「……。」
泰葉は義勇を見つめる。
義勇の目に光がない。