第31章 緊急柱合会議
同じ頃、蝶屋敷では炭治郎のところへ鋼鐡塚が来ていた。
ハァハァハフハフと、大丈夫ではない感じで…。
あの日錆びていた刀を研ぎ終えて、すぐに持ってきてくれたようだ。
鋼鐡塚に言われて、炭治郎は刀身を見てみる。
炭治郎の元々の刀は漆黒。
しかし、新しく磨いてもらった刀は、漆黒の深さが違った。
凄いとしか言いようがなく、ため息が溢れるほどだった。
鋼「鉄も質がいいし、前の持ち主が相当強い剣士だったんだろう。」
刀に刻まれた『滅』の文字。
鋼「これを打った刀鍛冶が全ての鬼を滅するために作った刀だ。作者名も何も刻まず、ただこの文字だけを刻んだ。
この刀の後から階級制度が始まり、柱だけが悪鬼滅殺の文字を刻むようになったそうだ。
炭「そうなんですね…凄い刀だ…。」
「でも、前の戦いでこれを使った時は文字が無かったような…」
ひょっとこ越しでもわかる。すごく炭治郎を睨んでいる。
鋼「だから、それは第一段階までしか研ぎ終えてないのに、お前らが持ってって使ったからだろうが!!
錆が落としきれてなかったんだよ!ブチ殺すぞ!」
「今もまだ傷が治りきってなくて、ずっと涙が出てるんだよ!
痛くて痛くてたまらないんだよ!!」
怒涛の不満は止まらない。
鋼「研ぎの途中で邪魔されまくったせいで、最初から研ぎ直しになったんだからな!!」
ひと騒ぎして、炭治郎は死ぬまで鋼鐡塚にみたらし団子を持っていくという約束に収まり、帰っていった。
一部始終を見ていた後藤も引いていた。
「さっきからうるせぇんだよ。」
そう不満を漏らすのは、玄弥。
傷はほぼ無かったが、いつもより多く鬼を喰らっていたので、様子を見ている。
炭「ごめん、玄弥。もう済んだから。騒がしくして…」
バリーーーーン!!!
炭治郎が言い終わらないうちに窓を破って入ってきたのは…
炭「ああーーー!!伊之助ー!!何してるんだ!!窓割って!!」
後「お前バカか⁉︎胡蝶様に殺されるぞ!!」
そんなことはお構いなしに興奮した様子の伊之助。
伊「強化、強化、強化!!合同強化訓練が始まるぞ!!」
「強い奴らが集まって、稽古つけて…
何たらかんたら言ってたぜ!!」
炭「?何なんだそれ?」
伊「…わっかんねぇ!」
炭「なるほど…。」
つくづく別の部屋を希望する玄弥だった。