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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第31章 緊急柱合会議



柱合会議が行われる中、泰葉は耀哉の部屋へと訪れていた。

耀哉の痣は全身に広がり、とても辛そうだ。
喋るのも容易ではないだろうに、耀哉は泰葉に優しく声をかける。


耀「すまないね…。」

「いえ、私は気にしないでください。」


耀哉は辿々しく話をする。

杏寿郎から金崎の件は伝わっており、泰葉の身を案じていた。しかし、大きな問題を起こしてもいないので、証拠がない。
処分するにもできない状態だった。
何があってからの対処ではいけないとは思っているので、耀哉もそこがもどかしい。



そこで、提案されたのは煉獄家に移り住むこと。



耀「なんと、泰葉の…適合者が…杏寿郎、らしいね。」

「はい、私も驚きました。」

耀「杏寿郎は、君を大切に…思っている。
どうかな…?これは、杏寿郎の…父、槇寿郎の、提案なんだ。」


その話に泰葉は驚いた。
まさかの槇寿郎からの提案。

耀哉もあの屋敷は広く、杏寿郎が留守にしたとしても、実力者であった槇寿郎も、剣の才は開花しなくともしっかり者の千寿郎もいる。
この上ない護衛態勢だと思っている。


泰葉は今まで住んでいた家を離れるのは、咲子に対しても寂しい気持ちがあった。しかし、今は金崎の件もある。

そして何より…


「お館様。
私の話を聞いていただけますか?」

「もう間も無く、胡蝶様により有効な薬が出来上がると聞いております。今まで血液の提供を行なって参りましたが、薬が出来上がりその必要がなくなる今、私もこの戦闘能力で鬼殺隊と共に戦っていきたいと思います。」


耀哉は天井を見上げたまま、微かに目を見開いた。


耀「それ、は…どういう…ことか、分かっているかい?」

それは命をかけて戦うということ。
まさに明日分からぬ命に身を置くこと。


しかし、最初から泰葉はそのつもりで鬼殺隊に協力することを決めていた。


「はい。」


強い意志を持った泰葉の答えに、耀哉は頬を綻ばせる。


耀「ありがとう。
では…また文を出そう。詳しく、は…それを、見てくれ。」



泰葉はその答えを聞き、頭を下げて部屋を後にした。



耀哉の身体は限界に近い。
そう思うと、じわりと涙が浮かんだ。




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