第30章 太陽の瞳
眠れないのは杏寿郎も同じ。
むぅ!眠れるはずがない!
ついに伝えてしまった!
もし断られたらと考えていたが、
泰葉さんも好きだと言ってくれた!!
大切な人に想いを告げるだけでも、こんなに緊張しようとは!
父上、流石です!
母上と結婚したとなると、さらに結婚の申し入れをしたということ。
これ以上の緊張だろうな!!
しかし、どうして泰葉さんは、あんなに愛いのだろうか…。
綺麗な瞳、柔らかな唇、ふわりと香る果実のような香り。
思い出すだけで、また気持ちが昂ってきてしまう。
いかん、いかん!
ここは蝶屋敷。
落ち着け、杏寿郎!!
でも、恋人…。
口付けも、遠慮なくしていいんだよな。
あの柔い身体に触ることも許される。
つまりはそれ以上も…
!!!
眠れない!!!
こんな邪な気持ちを持っていたとは!
まだまだ鍛錬が足りないようだ!!
不甲斐なし!!!!