第28章 不穏
泰葉が炭治郎に付きっきりになっている隙に、一気に泰葉と禰󠄀豆子、玄弥は竜に捕まってしまった。
「くっ…!しまった!」
竜の口に着物の袖が噛まれている。本当は腕に噛み付く予定だったと思うが、泰葉の反射神経でそれは免れた。
杏「泰葉さん!」
「こちらは大丈夫です!禰󠄀豆子ちゃんや玄弥くんを!」
するとその時、竜の口が炭治郎めがけて向かってくる。
炭(66尺より離れれば…)
と必死に距離をとった。…が、竜の口からまた小さな竜が出てきて、段々となりながら伸びてきた。
そして、炭治郎の腕に噛みつき、ぐんっと引き寄せ大元の竜に喰われそうになる。
杏「竈門少年!!」
「炭治郎くん!!」
もう口の中に連れ込まれようとした時、急に竜の頭がズバババッと細かく切り刻まれた。
『また柱か…』
炭治郎を背負い、高く飛び上がって救出したのは、蜜璃だった。
蜜「きゃーー!すごいお化け、何アレ⁉︎
大丈夫⁉︎ごめんね、遅れちゃって!!ギリギリだったね!!」
蜜璃は炭治郎を地面に降ろす。
蜜「ちょっとだけ、休んだ方がいいみたい!頑張ったね!えらいぞ!」
すると、ダッと鬼に向かっていく。
炭「甘露寺さん!その鬼は…!!」
炭治郎が鬼の注意点を伝えようとしたが、その前に鬼へと向かってしまった…。
杏「不知火!!」
杏寿郎は泰葉、禰󠄀豆子、玄弥の3名を救い出す。
「ありがとうございます!蜜璃ちゃんに鬼の注意を使えなければ…!」
地面に降ろされ、泰葉は襦袢の袖を引き裂き、脹脛の止血をした。
泰葉の言葉を聞いて杏寿郎は蜜璃の方を向く。
杏「甘露寺!鬼の大元は木の中にいる!その鬼は雷と音波を使ってくるのできをつけろ!!」
杏寿郎は辺りがビリビリするくらい大きな声で簡潔に伝えた。
蜜「はい!」
「ちょっと君!おイタが過ぎるわよ!」
『黙れ、あばずれ共が!儂に命令して良いのはこの世で御一方のみぞ。』
蜜璃はショックを受けた。
あばずれ⁉︎あば…私⁉︎共ってことは…泰葉ちゃんも⁉︎
『狂鳴雷殺』
炭「煉獄さん!甘露寺さん!!」