第27章 弟
熊のようだったのは、筋骨隆々になった鋼鐵塚だった。
下手すると、修行後の炭治郎より強そうな彼が刀を持ち去ろうとするので3人は揉めた。
鋼鐡塚に説明してくれと言うも、「任せろ」としか言わない。
炭・小「いや、だから何を⁉︎」
すると、鋼鐡塚は刀を握りギュルルと音が鳴るくらい回り、炭治郎と小鉄を振り払う。
もう大人のすることではない。
ガサガサ
茂みの中からまた1人ひょっとこが現れた。
「少年たちよ、鋼鐡塚さんの急所は脇です。」
そう言って、鋼鐡塚にこちょこちょ攻撃をはじめた。
ヒャヒャヒャと笑ってぐったりする鋼鐡塚。
炭「あ!鉄穴森さん!ご無沙汰してます!」
炭治郎達を救ってくれたのは鉄穴森だった。
伊之助の刀を打っている刀鍛冶である。
鉄「私から説明しましょ。
鋼鐡塚さんを許してやってくださいね。山籠りで修行していたんですよ。君を死なせないように、もっと強い刀を作るために。」
その話を聞いて、炭治郎はホワホワした。
炭「俺のため…」
鋼鐡塚はこの性格故か、剣士に嫌われ担当を外されることが多いそうだ。だから、ずっと鋼鐡塚を頼ってくれていることが嬉しいらしい。本人は決して言わないが。
鋼鐡塚が、ビョンと起き上がる。
くすぐりから復活したようだ。
鋼「この錆びた刀は俺が預かる。 鋼鐡塚家に伝わる日輪刀研魔術で見事磨き上げてしんぜよう。」
小「じゃあ、初めからそう言えばいいじゃないですか!馬鹿の一つ覚えみたいに任せろ任せろって…」
毒舌を吐かれた鋼鐡塚は小鉄をギリギリと締め上げる。
「脇!!脇!!!」