第27章 弟
炭治郎、覚醒。
動作予知能力を獲得。
匂いにより、相手が次狙ってくる場所が分かるようになった。
食事を終えた炭治郎は、また零式と向かい合う。
炭治郎は、格段と動きがよくなっていた。
炭(よし!入る!!!
渾身の一撃で…!!)
しかし、炭治郎の頭に過ぎる。
壊れてしまったら…
小「斬ってー!壊れてもいい、絶対俺が直すから!!」
バキィン!!
炭治郎が零式の頸に一撃を入れた時、炭治郎の持つ刀は折れてしまった。
その瞬間、炭治郎はドシンと、尻餅をついた。
炭「アイタ!!!」
「大丈夫⁉︎」
小「大丈夫ですか⁉︎」
炭「ご、ごめん、借りた刀…折れちゃった…。」
小「いいんですよ、そんなの!
…あ!!!」
ピシッ
ガラッ…
零式の頸元から上が崩れ始めた。
すると、人形の体を支えていたかのように1本の刀が現れる。
炭「何か出た!!!!」
小「少なくとも300年以上前の刀ですよね⁉︎」
炭「そうだよね!これ、やばいよね⁉︎」
2人は興奮していて、鼻息荒くてんやわんやしている。
小「炭治郎さん貰っていいんじゃないでしょうか!」
炭「やや!ダメでしょ!」
小「ちょっと抜いてみます⁉︎」
炭「そうだよね!見たいよね!」
泰葉はそんな2人を見ておかしくて、笑ってしまう。
炭治郎がその300年以上前の刀を握り、いざ!と気合いを入れる。
グッ…
ズ…
錆びていた。
炭・小「ですよね、当然ですよね」
ぬか喜びとなってしまった炭治郎の目からは涙がぼたぼたと溢れた。
小「なんか、ごめんなさい!」
「炭治郎くん、泣かないで!」
泰葉は炭治郎の頭を撫でる。
すると、茂みの方からガサガサッと音がした。大きな熊のような影がぬっと見えてくる…。
「話は聞かせてもらった。後は任せろ。」