第27章 弟
小鉄少年は燃えていた。
炭治郎に、強くなってもらい無一郎に復讐するために。
『その程度か?ゴミカスが。
髪の毛長すぎなんだよ切れ昆布頭
チビ、ブサイクの短足。
切腹しろ。恥知らず。』
これを炭治郎に言わせようとしているのだ。
小鉄少年は元々毒舌である。
父を亡くしたためにションボリして、毒舌も鳴りを潜めていたが、無一郎襲来により完全復活したのだ。
さらに小鉄少年は分析が得意であった。
その優れた分析力故に、自分の技術力の低さを正確に捉え、絶望していた。
10歳の若さで…。未来があるのにも関わらず…
つまるところ、怒りというものは人を突き動かす原動力となる。
炭治郎と小鉄の修行は1日2日ではなかった。
しかも、水も食糧も与えないという暴挙。
水を飲まなければ人は3日程で真面目に死ぬ。
無知故の純粋なる暴挙だった。
途中、雨が降ったため炭治郎の命さえ繋がったが、恐ろしいほどの運動量の中、
ほぼ絶水
断食
断眠。
炭治郎は三途の川を渡りかけていた。
いい気持ちで橋の上を歩いていたが、空腹で目眩をおこし川に落下。
ふと水底を見ると何かが光っていた。
石。
この光る石は不思議なことに水の中でも匂いがした。
現実に引き戻された炭治郎は、カッと目を見開く。
炭(なんだこの匂いは…!隙の糸とは違う匂い。)
すると、人形の動きを予測することができ、一撃打ち込むことができた。
小「一撃入りましたね!ショボすぎて人形びくともしてないですけど!
食べ物!あげましょう!」
炭「おにぎりと梅干し!お茶は高級玉露で!!!」
泰葉は小鉄から連絡を受け、急いで言われた通りの
おにぎりと梅干し、高級玉露を持っていった。
「炭治郎くーん!大丈夫⁉︎」
泰葉を見るや否や、おにぎりに手を伸ばし勢いよく頬張った。
炭「米うめぇぇぇえ!!!」
炭治郎には7日振りの食事。
炭治郎が涙を流しながら食べるものだから、まさかと思って小鉄に聞いた。
「小鉄くん、もしかして食事や水分は…」
小「もちろん、あの時からとっていません!!」
無知だったとはいえ命に関わる事だ。
無理はしないように言ったのに、それはいけないと小鉄は泰葉に叱られた。