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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第27章 弟



不死川兄弟がまだ幼い頃の話。

不死川家の母は小柄な可愛らしい人だった。
働き者で、玄弥は母が寝ている姿を見たことがなかった。
対照的に父は図体がでかく、ろくでもなかった。
人に恨まれて刺されたのは自業自得。

母や、玄弥達の事をよく殴っていた。
あんな小さな体で化け物のような父に怯みもせず、
子供たちを庇う母は、すごい人だと思う。



しかしある日、母はなかなか帰ってこなかった。
兄もなかなか帰ってこない。
家にいた玄弥含め6人の兄弟達は心配していたが、朝には帰るだろうと思っていた。


しばらくして、ドンドンと戸が叩かれた。
幼い兄弟達は母が帰ってきたのだと、急いで戸を開ける。


玄「待て!母ちゃんじゃないかもしれな…!!」


と、叫んだ時には遅く、兄弟達から血飛沫が飛びバタバタと倒れていく。
玄弥は目を凝らして入ってきた者を見る。

グルグルと唸る影。

狼か…?



すると、今度は傷だらけになった兄が飛び込んできて、その影を外へと連れ出した。


実「玄弥、逃げろ!!」


玄弥は兄弟を助けようと、医者へと走った。
朝、明るくなって家まで戻ると、
家の前には血だらけで刃物を持って、佇む兄の姿。
その視線の先には、母が横たわっていた。

朝日を浴びて、なぜか散っていく母の姿。





玄「その時、俺は言ってしまったんだ。
人殺し…って。」


玄弥は悔しそうに拳を握った。


玄「今更、言い訳にしかならないけど、混乱してたんだ。
そのあと、よく思い出してみたら狼だと思ったのは、鬼となったお袋だったんだ。」


兄弟を守るために戦って、夜が明けて外に落ちて初めて、家族を襲ったのが母だと知った時、
兄はどんな気持ちだっただろうか…。


最愛の母を手にかけて、打ちのめされている時、必死で助けた弟に罵倒されて、
どんな気持ちだっただろうか…。


実「家族は俺たち2人で守ろう。
これからは俺とお前で、お袋と弟達を守るんだ。いいな?」

玄「これからは…じゃなくて、これからも…だよな。」

実「…あぁ。」


そうやって、笑い合って約束したばかりだったのに…。





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