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太陽の瞳 【鬼滅の刃】

第27章 弟



炭治郎が修行をしている間、泰葉も少しは体力をつけようと、走り込みなどを行った。

しかし、すぐに息は切れるわ長距離は走れないわで、自分は戦える身なのだろうかと疑問に思ってしまう。
1時間体を動かしただけで悲鳴をあげていた。

「な…情けない…」



すると、人の気配がした。

泰葉が振り返ってみると、そこには


「玄弥…様?」



そう言うと、玄弥はブワッと赤くなった。
泰葉が一歩近づこうとすると、玄弥は一歩退がっていく。


「あ、あの…?」

玄「…あんた、何者なんだ?
一般人なんだろう?」


蜜璃と並んで刀鍛冶の里にいる一般人。
たしかに不審者に見えるだろう。


「不死川 玄弥様ですね。
私は西ノ宮泰葉と申します。
詳しくお話ししたいので…とりあえず、座りませんか?」

泰葉は近くにあった岩に腰掛けた。
隣をぽんぽんと叩いて促したが、ちょっとだけ離れた岩に玄弥は座った。


「まず、私は西ノ宮と言う一族の唯一の生き残りです。
鬼舞辻無惨により、一族は滅ぼされました…。」


泰葉は玄弥に説明をした。一族の話、能力の話。どうしてここに居るのかも。

一通り説明を受けて、泰葉が不審な人物ではないと分かったようだ。


玄「俺の名前は不死川玄弥。
俺は…」

玄弥が言い止まる。
おそらく、その続きに言おうとしたのは…

「不死川実弥様の…弟さんですね?」

玄弥は頷いた。

玄「兄貴は…認めてくれねぇがな…。」


泰葉は切なくなった。
実弥は本当は心から玄弥の事を想っているのに。


玄「泰葉さん…だっけか?
玄弥様なんてやめてくれよ。気軽に呼んでくれ。
そんな大層なやつじゃねぇから。呼吸も使えない…。」

「では、玄弥くんでいい?
玄弥くんはどうして鬼殺隊に?」


自然に聞けただろうか…?
泰葉は気になっていた。兄にこんなにまで拒絶されて尚、何故鬼殺隊にいるのか…。
呼吸が使えないとなると、不利だと聞いた。



玄「…泰葉さんも辛い過去を話してくれたからな。
俺も話さないとな…。」


玄弥は、心を整理しているのか沈黙を作る。


はぁ、と一呼吸ついて話し始めた。


玄「俺、兄貴に謝りたくて。」





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